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Q.ミケの連載でルフィとルッチが戦い、その後怪我を治す云々の後に、主人公と再び出会えるのか、そもそも主人公が無事なのかどうかとても気になります。



A.ルートとしては二つあります。主人公がルッチに殺されるデッドエンドルート、もしくはセント・ポプラで離別ルートのどちらかです。

とりあえずそこに至るまでの経緯としては、20万ヒット企画の質問でもざっくりと答えたんですが、ミケ主はルッチがウォーターセブンへ任務に行ってしばらくした後、とある事情でエニエス・ロビーでの仕事を解雇されます。
さて今後どうするかと考えて、とりあえずは故郷であるウォーターセブンに帰ると、なんとそこには愛しのあの子が町で人気の船大工としてキャーキャー言われているではないですか。長期の任務ってここかよ…下手に関わると始末されるだろうな…と察した主人公は、遠目で見ただけなのを良いことに知らんぷりして以前住んでいた家に帰りますが、一緒に住んでいた兄も自分も不在の間、家を管理してくれていた兄の親友の船大工さんに遭遇してこっぴどく叱られます。兄の親友の船大工さん、もといパウリーは主人公の傍若無人な態度が原因で解雇されたと思ったようで「てめえ何してんだ!」と大変お冠な様子。お前の兄ちゃんに心配かけんなよ!ってことらしいけど、事情を説明するのも面倒だしお説教を右から左に聞き流して一人暮らし開始。貯蓄はそれなりにあるけど、すぐに仕事が見つかるとも思えない。働き口を探さねば。
一応、ルッチにはそのうち会おうと思ってました。長期の任務に行くって聞いたとき、エニエス・ロビーで待ってるっていう約束を破っちゃったし。任務が終わればウォーターセブンを出て行くんだろうし。怒るかな…怒るだろうな…。でもちゃんと謝らないとな…とタイミングを図っていたけどそれは後日パウリーさんのお節介にて強制的にフラグが立ちました。船の中に庭園を作りたい、というお金持ちの道楽による船造りの注文が入り、中に作る庭園は船大工の管轄外なので外部発注をかける予定だったのをパウリーさんが主人公へ仕事を回してくれたのです。まあなんというバッドタイミング。いえいえグッドタイミング。
連れられるまま入った工場内で、びしびしと突き刺さる視線はきっとあの子のもの。飛んできた白鳩には、初めて会ったふりではじめましてのご挨拶。何故か腹話術で話しかけられて大層驚いたのは演技ではなかったので、二人が既に以前会っているということは誰にも悟られることはありませんでしたが、何故か長い鼻の青年には「どこかで会ったことはないかのう?」と話しかけられ、市長の秘書だという女性には妙にたくさんの質問をされました。どちらとも記憶にはない顔だったので適当に流すと、保護者面したパウリーさんが「こいつ変人なんだよ。人間に興味がなくって、人の顔もろくに覚えられねェし覚えたとしてもすぐに忘れちまう。なァ!?」とフォローに見せかけた皮肉を投げてきます。再会したときに全く思い出せなかったのを根に持っているようです。実は今でも、「兄さんの親友ってこんな人だったかな」と思い出しきれていないのはどうでもいい話。

仕事の概要を説明され、必要なものの発注を打ち合わせてその日は終わりましたが、思った通りというか想定内というか、その日の夜にはお客さんがいらっしゃいました。草木も眠る丑三つ時に、真っ黒な衣服に身を包んだ姿で窓から侵入してきたお客さん。勢いよく首筋に噛み付いてきたその子の体は既に半分獣になりかけていたので、主人公はよしよしと撫でながら「クビになったんだ。故郷がここだから帰ってきたんだけど、まさか君もいたなんて」と正直に告白しました。血が滲むまで噛んでいた首筋を離し、蔑んだような目で見下してくるお客さん、もといルッチさんは、他にも潜入している仲間にも知られないよう単独でこっちに来てくれたようです。潜入メンバーがなまえの扱いをどうするか話し合った結果として、自分たちのことを覚えていないこと、政府の管轄で働いていた人間がウォーターセブンに帰ってきた途端に死ねばアイスバーグに要らぬ警戒心を与えてしまうことを考慮し、放置する代わり、白鳩に興味を示してまともに会話をすることが出来たルッチが当面の監視役として宛てがわれることになったようです。下手にルッチたちのことを話すと殺されるようですが、主人公はこの島がどうなろうと特に興味はないのでルッチたちの正体をバラすメリットもありません。「君と一緒にいられる理由が出来るなら、嬉しいね」と笑った主人公に、ルッチは思い切り噛み付きました。これでも、結構怒っているのです。待っているという約束を破ったこと。自分から会いに来ようとしなかったこと。会っても忘れたような顔をしていたこと。口に出すのは癪だったので、たくさんたくさん噛みました。

そしてそれからしばらく、同じ職場で仕事をするうち、白鳩を介して会話をするロブ・ルッチと、動植物にしか興味がないなまえは必然的に距離が近くなりました。一緒に食事をとったり、ルッチがなまえの家に泊まりに行ったり、なまえは他の船大工と仕事上の連携をとらなくてはならないとき、ルッチを介してしか話ができません。なまえを監視する名目上、ちょうどいいポストに収まることが出来たとカクやカリファはルッチの行動を計算づくのものだと思っています。なまえもルッチを単なる船大工で良き友人が出来たと思っているのだろうと思っています。けどただ単に二人はいちゃいちゃしてるだけでした。なまえがガレーラでの仕事を終えても、不自然にならない程度に一緒にいます。平和で穏やかな日々です。CP9の任務が終わるまでは。

転機が訪れるのは、例のアイスバーグさん暗殺事件の日。ルッチは何も言いませんでした。なまえも、いつも通り外の喧騒なんて関係ない素振りをしていましたが、これで最後なのはわかっていました。解雇された以上、一緒に帰ることは出来ないのもわかっていました。「さよならだ、ルッチ」と静かに伝えたとき、ルッチの顔がとても不機嫌そうに歪みます。平然と別れを告げたのが気に入らないのかもしれません。けれど、なまえは最初から、自分が誰かとずっと一緒にいることは出来ないとわかっていました。人間のくせに人間に馴染めず、どれだけ動植物を愛してもそれらと同じ存在にはなりえません。唯一愛した人間でさえ、生きる世界が違うのです。小さい頃から、それこそ物心ついたころから、なまえは自分が「仲間はずれ」の存在であることを理解していたので、諦めていました。だから、別れは悲しくありません。薄情だと言われようとも、ずっと一緒にいられないことは最初からわかっていたことではありませんか。ずっと一緒にいられたこのウォーターセブンでの時間こそが、奇跡のようなものだったのです。だから、もういいではありませんか。

ここでルッチが主人公を殺せばデッドエンド。殺す理由は、表向きには自分たちの正体を思い出して政府の立場が悪くなる可能性を根本から断つため。実際は自分の手元に置けないならここで殺して自分のものにするため。ルッチさん独占欲強そうだから、自分以外になびく可能性がある時点で殺しそうな気がするってことでこのエンドです。主人公は甘んじて受ける。だってルッチを愛しているから、なんでも受け入れてやるのが愛情だと思ってる。

そこでルッチが無意識の手加減をするか、思ったより主人公が頑丈だったか、あるいは主人公が別れを切り出す前にルッチがウォーターセブンを離れて主人公が生存していれば、セント・ポプラで再会フラグが立ちます。
ルッチがウォーターセブンから離れた時点でこの島にいる理由がなくなったので、主人公はアクア・ラグナの難を逃れた自宅を売って金を作り、春の女王の町へ移住します。理由としては気候がよくて植物が育ちやすいから。そして物件を探している最中に、雨の中で興行ををしている猛獣使いがいると聞いて見に行ってみれば、という流れでジャブラさんに再会。事情を聞いて、すぐさま家を売った金を渡しました。ルッチの治療費と、当面の生活費。「恩に着る」とジャブラさんは頭を下げてくれましたが、主人公としてはそんなことよりさっさとルッチを助けて、ついでにいうなら狼とキリンをもふもふさせてほしかった。

主人公は別に恩を売りたいわけでも、感謝されたいわけでもなかったので、ルッチに会わなくてもよかった。だってお別れはもう済ませたし、ルッチ以外をもふもふしてたと知られたら多分良くて八つ裂き。悪くて今度こそ殺される。ルッチによろしく〜と言ってあっさり別れようとした主人公の首根っこを捕まえて、起きたルッチの目の前に放り出したのはカクさんでした。ルッチはむすっとした顔で「この借りは必ず返す」と言うだけでちょっと拍子抜けしましたが、「人に金を貸しちゃいけないって兄さんに言われてるんだ。あの金はあげたものだから、おれは何も貸しちゃいないよ」と返すと今度こそ引っ掻かれた。ルッチさん的には、また一緒にいる約束を取り付けたつもりだったらしい。なんだか雰囲気は柔らかくなってるけど、あいも変わらず素直でない。それでも、海賊がきて、過剰防衛してしまったがゆえにこの町を出て行くというCP9を、主人公は「だろうねェ」と見送ります。だって君たちも同んなじだ。人のくせに人に馴染めない。そういうふうに育てられてしまったんだから。だけどおれとは違う。人のためにふるう力を持っている。同じ境遇の仲間がいる。それはとても幸せなことだから、ルッチはきっと大丈夫。

「この借りは、必ず返す。何年経っても」
「いいって言ってるのに」
「………」
「ああ、わかったわかった。じゃあ、この町で待ってる。何年経っても」
「…信用ならんな」
「うーん、まあ、おれにはエニエス・ロビーで待ってるっていう約束を破った前科があるからなァ」
「次は許さん。探し出して、八つ裂きだ」
「そうか、それなら、どうなっても必ず会えるってことだ」
「…バカヤロウ」

そして今度こそお別れ。本当にまた会えるかどうかは2年後のルッチさんの状況次第だと思います。政府に戻ってたら会えるかもしれない。主人公は多分適当なところで庭師か、動物の飼育員でもやってルッチを待ってると思います。


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