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Q.サカズキを怒らせようぜ!の主人公のサカズキへの感情はラブなのですか?



「ラブってなァに?どういうこと?どんな気持ち?普通の好きとどう違うの?ファックしたいってこと?」

疑問符いっぱいの問い返しはわざととぼけているのかとも思ったが、本当に意味がわからないと言わんばかりのなまえの表情に、クザンは軽い気持ちで聞いたことを後悔した。
あれだけ「大好き」だの「運命の人」だのと恥も外聞もなく高らかに好意を示しているのだ。暇さえあればサカズキにちょっかいを出しにいくなまえがサカズキを嫌っていないことなど今や周知の事実ではあったが、それがどういった種類の好意であるのかは誰も知らない。クザンとて何も興味があるわけではなかったが、世間話程度に話の種として聞いてみただけだ。性的に好きなのだとて、玩具としか見ていないのだとて、どちらでも良かった。それがまさかこんな問い返しをされるとは思いもよらない。答えを迷いに迷って、結局は「勃起すれば、ラブなんじゃねェの」といういかにも即物的な話になってしまった。

「勃起?するよ!結構毎回!」
「あァ〜…失敗した…別にそこらへんは聞きたくなかった…」
「というかサカちゃんだけじゃなくて、命の危険を味わうとわりと頻繁に」
「それラブとかライクの次元じゃねェわ。絶命前に子孫を残そうとする生物の本能だわ」

「そーなの?」と首をかしげるなまえは、本当に愛というものを理解していないらしい。あれだけ躊躇いもなく好意を口にして、しかし嫌っているかのように嫌がらせを続けている男には相応しいといえば相応しい感情の齟齬だ。聞いた話によると物心ついた頃にはスリルにしか興味がない精神構造だったらしいので、愛というものを考えたこともないのかもしれない。ある意味ではとてもストイックな男だ。食事にも女にも酒や煙草といった嗜好品にも、興味を示すところを見たことがない。恐怖による興奮だけが、彼の娯楽だ。

「…あれっ、じゃあお前もしや…童貞…?」
「んーん、暗殺者のネーちゃんとやったことがあるよ」
「暗殺者…」
「どっかの海賊に雇われたんじゃないかなー、いつ仕掛けてくるのかなって誘われるままファックしながらすごいドキドキした」
「お前の生き方ロックすぎて引くわ」


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A.ラブとかライクの違いが解らないというか考えたこともない。勃起すればラブだよと言われたところで、命の危険を感じないと勃起できない精神異常者。性的なことに興味はないので、サカズキに行うセクハラは完全に嫌がらせでしかない。サカズキさんかわいそう。

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