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Q.シャンクス長編の主人公さんに質問です。小さい頃は可愛かったのに、十年ほどたってから再会したら悪魔みたいな男になってたよチクショウ、とレイリーさんが仰ってましたが、無垢な少年が悪魔的な変態になってしまった原因をお聞きしたいです(^ω^)

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レイリーお兄ちゃん、やだよ置いてかないで、なまえも一緒に行きたい!
必死の懇願も虚しく、なまえが日頃兄のように慕っていた男は見知らぬ誰かに連れられて海へと出ていってしまいました。泣いても喚いても彼は戻ってきません。なまえの声が届かないほど、遠くへ行ってしまいましたから。
なまえは、自分がもっと大人だったらなァ、と思い、まだ小さな体を呪いました。もっと大人だったら、レイリーお兄ちゃんも一緒に海へ連れてってくれて、悪い奴からレイリーお兄ちゃんを守ってあげられるのに。
どちらかと言えば彼も悪い方の人間ではあるのですが、幼いなまえには知るよしもありません。彼のいない寂しさと、これから彼を待ち受ける困難を思い、なまえは鼻をすんすんと鳴らして泣きました。大きな目は赤く、長い睫毛は涙で濡れ、華奢な体を丸めて哀しみに暮れる姿は同情を誘うのでしょう、一人の女性がなまえに近寄り、優しく声をかけました。
坊や、泣かないで。私が側にいてあげるわ。
真っ赤なドレスに、同じ色の艶やかな口紅。そしてワインレッドの髪をもったその女性に、なまえは見覚えがあります。近所に住んでいるお姉さんでした。
『大人の男の人を喜ばせるお仕事』をしているという彼女は、前々からなまえ気にかけてくれる優しいお姉さんです。彼女が抱き締めてくれるままに頭を柔らかな胸に預けたなまえは、無意識ながら他人の庇護欲をそそるような声で弱々しく呟きました。
早く大人になりたいな。ねえ、どうやったらなれるの?
教えておねえちゃん、と縋る手を握った彼女は、真っ赤な唇を真っ赤な舌で舐めながら、上擦った声で言いました。

    いいわよ、お姉さんが、教えてあげる。

彼女も彼と同じく、どちらかと言えば悪い方の人間だったのですが、やはり幼いなまえには知るよしもなかったのです。



「…と、まあこのようにショタコン娼婦に童貞を食われたおれはお陰さまで女には困らないほどオトナになってだな。やがて痴情の縺れにより島にいるのも面倒になったので海に出てみたらレイリーと再会したのでした、めでたしめでたし」
「……ちょっと待て、どこからが嘘でどこからが真実だ?」
「全部ホントだぜ、おにいちゃァん」
「やめろ鳥肌が立った」
「つれねェなァお兄ちゃん、おれはお前の為にオトナになったっていうのに」
「語弊のある言い方はよせ…!ニヤニヤするな!」


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A.要するにレイリーさんのせい。


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