200000 | ナノ



Q.前にメモで「七日間戦争主はミケ主の兄だったりパウリーと親友だったり、本当は人柱体質だったり云々」と語ってらっしゃったと思うのですが、その中の「ミケ主と兄弟」という裏設定にビビビときてしまいまして(^p^)どうか二人のお話を一つ…!(゜ロ゜)!イツキ君とイサゴ君のデフォルト名が似ているのって、兄弟の伏線ですか…!?(今思いました)

Q.ミケと呼ばれる…の主人公さんと7日間戦争の主人公さんへ。裏設定によると兄弟らしいですが、なぜ一方はエニエス・ロビー、一方はアラバスタと遠く離れてしまったんですか?7日間主がパウリーと親しい、ということは、2人はW7生まれだったり?また、お互いに相手に対してどんな感情を持っているのか、お答え願います!他に兄弟はいないんですかね?ここによいよいの主人公さんが入ると、デフォルト名がイサキ→イサゴ→イツキと良い感じに長男(イサキさん)の名前から下2人の弟へ二文字ずつ移っているように見えますが……これは考えすぎですかね!(笑)

-------------------------------



昔々、ウォーターセブンという水の都に、近所でも評判の変わり者兄弟がおりました。
兄は幼い頃から水難の相があり、いつだって頭から足元までずぶ濡れ。乾いた衣服をまとっている方が珍しい男です。
弟は動物や植物にしか興味を示さない人間嫌い。好意を寄せられようが嫌がらせをされようが、自分には関係ないとまるで他人事の顔をしている男です。

責任感の強い世話焼きな兄は、他人にまるで興味が無い弟を時には叱り時には守り、そして自分の身に降りかかる不運をも受け入れてきた苦労人でもありましたが、船大工を目指す親友と励まし合うことで楽しく生きていました。
しかし水難の多いこの都市で、呪われたように水を引き寄せる彼はやがて『彼がこの街に水難を呼んでいるのではないか』と噂されるようになります。最初は誰かのふざけた揶揄ではありましたが、揶揄が疑心となり、疑心が仮定となれば、人々のやり場のない怒りは八つ当たりのように彼へと向かっていきます。よくよく考えれば謂れのない悪評など、彼も弟も気にはしませんでしたが、日に日に広がっていく悪意はまともな反論などもはや簡単に潰されてしまうのです。悪評を我が身のことのように怒ってくれる親友の存在はさておき、過ごしにくい環境はもはや住むことに利点がありません。ただ海を出ようと決意をしようにも、たったひとつの心配が彼に二の足を踏ませるのでした。その心配とは勿論、弟のことです。

好きなものにはとことん情愛を注いでも、興味のないものにはとことん意識から外す性格の弟でしたから、人付き合いはおろか自分が生きていくのに必要な情報ですら得られません。セント・ポプラやサン・ファルドで何回か造園関係の就職活動をしても、一目でわかる彼の独特な雰囲気に採用はされない状況です。彼が安定しないことには、兄も安心してこの街を離れることが出来ないのでした。

そんな中、兄の親友から吉報が舞い込みます。

「エニエス・ロビーで庭師を募集しているらしいぜ。お前、土いじり好きだろ」

聞けば、住み込みで他に仲間の庭師もおらず、ただ依頼者の要望通りに草木の手入れや造園をすれば良いとのこと。すぐに弟はエニエス・ロビーへ行くことにしました。「最低限挨拶だけはしろ」という兄のアドバイスを胸にしまって。

弟とて、甲斐甲斐しく面倒を見てくれる兄を憎からず思っています。けれど彼が人間である限り、自分には何もしてあげられないということもわかっていました。自分が落ち着かないことには自由になれない彼を、せめて自由にしてあげよう。弟はそう思い、面接官に精一杯の愛想を浮かべました。「はじめまして」も「よろしくお願いします」も、笑顔のない挨拶は不気味ですらあったのですが、どうにか彼は定職につくことが出来ました。エニエス・ロビーは実力主義の司法の島。多少の性格破綻は、ざらにあることなのです。

さて、一方で兄の船出は、想像以上に困難を極めるものでした。
船を出せば大時化、転覆、水没。少し沖に出た程度で高波が発生し、海に飲み込まれることも珍しくはありません。
こうなることは予想していたものの、予想以上の水難に彼も彼の船を用意してくれた親友も溜め息を吐く日が続きました。もはやこうなれば意地しか彼にはありません。半壊し、沈みかけ、呑み込まれそうになる船を引き摺るように、彼は少しずつグランドラインを逆走していきます。目指すは噂にきく砂漠の国。水を必要とするそこならば、自分の水難も疎まれないはずだと夢を見て。




    お前にも手紙を出す人間がいるんだな」

高官から庭師のなまえへ皮肉と共に手渡されたのは、検閲が入って既に封が切られた手紙ひとつ。『元気か。おれは砂漠の国に辿り着いた。どうやら水だけじゃなくて、コミュニケーション能力が著しく低い人間に縁があるらしい』。短い挨拶。海を渡ったせいか、随分と逞しくなった兄の写真。それからあちらの国に生息するワニや海獣の話。近況報告よりもなまえが喜ぶであろう動植物の話が主に記された手紙に、なまえは笑った。純粋に嬉しいのだ。たった一人の兄が、元気そうでいて。

「よかったね、兄さん」

元気でね、と呟いた言葉は他でもない別れの言葉だ。もう簡単には会えないと知ってしまった。それでもなまえは寂しくない。離れたって、話せなくたって、彼となまえは生涯兄弟なのだ。その事実があれば、なまえは十分、満足である。


-------------------------------
A.わりと兄が一方的に世話焼いてるようでいて、弟もちゃんと兄のことは気にかけてます。そんな関係。

ちなみにデフォルト名のことは全く考えてませんでした…!それぞれ『樹(イツキ)』『砂(イサゴ)』と話やキャラに関連したものから取っているのでご指摘受けてから「あ、マジだ。名前似てるわ兄弟っぽい」と気付きました。ちなみに泳ぎが得意なマルコ相手のよいよい主人公のデフォルト名の由来は字面で選んだ『鶏魚(イサキ)』です。二人と全く関係ない彼は両親に全く愛されなかったがゆえにやんちゃに走った寂しんボーイ。白ひげさんに出会って愛を知りました。


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -