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幼少キッドくんの近所に住んでいる5歳上の男の子はキレイなものが大好き。お花に宝石、美人なお姉さん。みんながキレイだと思うものは、みんなよりもずっとずっと大好き。
「だからおれ、将来は宝石商か花屋になる。ああでも、メイクアップアーティストも捨てがたい…」
と悩ましげに将来の夢を語る男の子にキッドくんは「男のくせ女々しいこと言ってんじゃねェよ」と馬鹿にしますが、海賊王になったら世界中のキレイなものをこいつに見せてやろう、と思うくらいには彼を気に入っていました。物心つく頃にはもうずっと一緒にいた、お兄ちゃんのようなものでしたから。

やがて二人が大人になり、昔とは比べ物にならないくらい力がついて、キッドくんが彼を「兄ちゃん」と呼ばなくなった頃。いよいよキッドくんは故郷を離れ海に出ることにしました。「寂しくなるな」と言う彼に、けれどキッドくんは全く寂しくなんてありません。何故なら、海賊になって一番初めに奪うものは、彼だと決めていたので。

「船出の祝福のお返しが腹パンで昏倒とかキッドマジで極悪人」
「海賊にとっちゃそりゃあ誉め言葉だ」
「…………おれ、お前に海賊やろうって言われた時、きっぱり断ったよな。犯罪者にはなりたくねェって」
「ああ」
「お前も「じゃあ仕方ねェな」って言ったよな」
「ああ」
「じゃあ!なんで!お前の船におれが乗ってんだよ!!」
「『じゃあ仕方ねェな、無理矢理連れてくか』、ってことだよ」
「なん…だと…」

着の身着のままで連れ去られたので帰ることも出来ず、キッドくんがところ構わず暴れまくるおかげで巻き込まれてあっという間にお尋ね者に。

おいやめろおれを巻き込むな、という口癖は未だに一般市民の名残ですが、なんだかんだと奪った宝石に目を輝かせているあたり彼も立派な犯罪者。日に日に増えていく貴金属や行く先々で目にする美しい風景に負け、キッド海賊団の一員として存在することを決めました。

2018/05/30

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