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エース君の場合
恥ずかしくって大人のキスが出来ない。勢いに任せてぶつかるようなキスばっかり。歯が当たって唇が切れることもあるから、恋人には「色気がないな」って笑われてしまう。だったらあんたからしてくれればいいのにって思うけど、誘う言葉も知らないで、もの欲しそうに見つめるだけで精一杯。
「サッチから聞いたんだけど、今日はキスの日なんだって」
何でもないように言ったつもりだけど、顔が熱くてちらちらと火の粉が散ってしまう。誘い文句にしては使い古されたものだろうけど、「それなら」とたくさんキスをしてもらえるから、いっそ毎日がキスの日なら、なんて。


シャンクスの場合@過保護
唇をはみ出して滑っていく口紅の先端が、次はどこに行くのかと思うと目が離せない。印をつけるように唇から頬、耳の付け根、顎、首筋、鎖骨。胸の尖りに触れたとき、大げさなくらい肩が震えてしまった。「なに期待してんの」とからかう声が嬉しそうで、益々身体が熱くなる。期待してるのはあんただろって言いたいけど、口の中いっぱいに溢れる唾液を飲み込むと同時に言葉もごくりと飲み込んでしまった。胸から腹へ、腹から臍へ。真っ赤な落書きがどんどん下へ降りていく。パンツのゴムを引っ張って、中にまで侵入していくものだから、いつのまにかおれの呼吸は止まっていた。
    さて、シャンクス。どこにキスをしてほしい?」
どうせ全部するくせに。おれに言って欲しくて期待する顔に、おれからキスをしてやった。


ルッチの場合
彼はキスをしながら首筋を撫でられるのが好き。夢中になると喉を鳴らしながら舌を噛んでくるから、おれたちのキスはいつも血の味だ。キスだけでこれだからセックスなんてしたらどうなることやら。おれはもう少し愛の言葉を囁きたいので、今日も明日も当分ルッチは処女のままである。


レイリーさんの場合
年上だからそりゃ経験はあるでしょうよ。海賊だからそりゃ爛れた性活してたんでしょうよ。どれだけおれが頑張ったってがっついたって余裕な顔するのは当たり前なんだとしても、男としてのプライドはずたずたです。せめてもの意趣返しとして毎日のようにしてたキスを拒んでみたら、レイリーさんが随分焦ったような顔をしてくれたので。
今日からおれは、キスをしません。


クロコダイルの場合
ロギア系って厄介だ。初めてのキスは砂の味。口の中がじゃりじゃりで、思わずおえっと吐き出してキッチンへ口を漱ぎに行ったら、何故だかクロコダイルがお怒りだ。いつものよくわからない癇癪でおれの家が半分砂にされてしまったので、やっぱりロギア系って厄介だ。


ローさんの場合
なんとかの日とかなんとか記念日とか、毎日あって到底覚えきれない。友達の誕生日すら覚えられないおれが「今日は何の日だ」と聞かれたって答えられるはずもなく、ましてそれが大事だとは思えない。記念日とか気にする奴は正直鬱陶しい。「お前の誕生日でもなけりゃ、おれにゃ関係ねーよ」と答えたおれに、素っ気なくされるのが大嫌いなはずのおれの恋人は珍しく上機嫌になってキスをしてくれた。
ちなみに何の日だったのかあとでシャチに聞いてみたところ、血反吐でも吐きそうな顔で「世界亀の日だよくそやろう」と教えてくれたが、彼は亀に恨みでもあるんだろうか。

2015/05/23

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