ネタ倉庫 | ナノ


飲酒ネタが三度の飯よりも好きなので酔っ払わせてみた@サカズキ怒らせようぜ!編


サカズキさんはあまり酒に興味がない人でもいいし、飲むなら飲むで一人で静かに飲みたい派だと私が嬉しい。
いい酒が手に入ったら刺身とか肴にしながら家でゆっくり飲む。弱くはないけどがぶがぶ飲まない。お猪口で味を楽しみながら舐めるように飲んでる。浴衣で。
酔うのもほろ酔い程度で寝ちゃうから、笑ったり怒ったり絡んだりはない。ただし少しだけ、わかりづらいくらい少しだけ、いつもより口数が増えるし他愛もないことを話す。あとちょっと口元が緩んでるとかわいい。

主人公は酒にとても弱い。もはや毒物として体が認識してる。グラス一杯のうっすいサワーで酔うし、二日酔いもひどい。そもそもスリル以外の娯楽にまったく興味がないので酒はもちろんタバコも吸わないし、食事にすらあまり感心がない。エネルギーになればそれでいいと思ってる。放っとくとカレーばっか食ってる。食べやすいし肉と野菜と米が入ってるからこれ食べときゃいいだろと思ってる。余談。
常日頃から酒は飲まないし、飲みに行こうと誘う人間もいなかった。懇親会も会食もスリルがないから基本欠席。だから今までは主人公が酒に弱いことは誰も知らなかった。
でもなんだかんだ芸達者(サカズキを挑発するために色々学んだ末の無駄な才能)(例:サカズキの執務机の上での渾身のフラメンコ/仮眠室での全力のタンバリン芸)なので、余興やれと駆り出されることはたまにある。
そんな宴会の場で、ついうっかりジュースだと思って飲んだのが酒だったというよくある展開で主人公初めて人前で酔い潰れる。部屋の隅で丸まってぐったりしてる。

「あららら、あんたなに寝てんの。それ新しい罠かなんか?」
「…………」
「マジで寝てんの?珍しいなーそんな無防備な姿。最近討伐続きだったんだっけ?楽しかった?」
「…くやんうるひゃい、あひゃまひびきゅきゃらみみもひょでひゃべるな」
「………えっ?」

ジュースみたいな酒一杯でぐったりして呂律が回らなくなる主人公見て、あまりの弱さにクザンびっくり。えっ嘘だろ?罠だろ?介抱しようとしたら『騙されたな!バカめ!』とか言いながらぶん殴ってくんだろ?と疑心暗鬼になっている間に、本気で酔ってる主人公はなんとか這いずっておつるさんのところに避難。嫌われてる自覚はあるので(大体自業自得)、絶対に自分を殺そうとしないと信用してる人のところにしか行かない。周囲が主人公の様子に気付いてざわざわし始めたら逃げようとする。ただし逃げたところで足元ふらっふらなので数十メートル先で壁にぶつかって倒れた。さすがに心配してクザンが手を貸そうとしたら、ひとりでかえれるもん!と言い張って断固拒否。けど十中八九翌日道端でボロボロの状態で見付かるのが目に見えてるので、最終的にはおつるさんに一緒に手を繋いで帰ってもらうことになった。

「お前おつるさんに送ってもらうとか恥ずかしくねェの」
「おひゅるひゃんらいりょーうらよ、おえひとりでかえれうもん」
「そっちはクザンだよ。まったくしょうのない子だね」
「サカズキィ〜…君が送ってあげたらいいんじゃないのかァ〜い?普段迷惑かけられてる分、返すついでにさァ〜」
「ううええあああんさかちゃんやらああああ!!」
「喚くなやかましい!」

いっつもサカちゃん!サカちゃん!と鬱陶しいくらい構ってくるのにこういう時ばかり断固拒否されてイラッとするサカズキさん。殴ろうとしたら思ったよりもあっさりと急所に入っちゃって、主人公気絶したのでさすがにおつるさんに担いで帰ってもらうわけにもいかず、結局サカズキさんがお家に送ることになった。しかし主人公の家を知らない。ので自分の家に連れてきた頃に、主人公が起きた。まだ酔ってる。

「しゃかひゃん、ころひゃないにょ?」
「やかましい、さっさと寝とれ」
「…んふふふ」
「なにを笑っとる」
「ひゃかゆき、あまいにぁあ」
「バカタレ、お前は苦しめて殺すと決めちょるんじゃァ。そんな意識が朦朧としてる時に殺しても意味がなかろう」
「んふふ、な、こっち、きて」
「…なんじゃァ」
「ふふ」

危害をくわえる気がないとわかったサカズキ引き寄せて、布団の中でべたべたちゅっちゅする。すきすきだいすき言われてなでなでされてちゅっちゅされてすりすりもされて、この時点で初めてサカズキさんは『こいつ本気で真っ当な意味で好きだって言ってんじゃないか』と思い至る。今まではもちろん嫌がらせか冗談かと思ってた。好きは好きでもサカズキ自身ではなくてサカズキの過激な性格と実力が好きなんだと思ってた。ちょっとこのへんからもやもやしつつも、その日は一晩二人でひとつの布団に寝た。
翌日主人公は二日酔い。うんうん唸りながらサカズキさんに介抱されて一日過ごした。けど翌日には元通りキチガイに戻ったので、やっぱり殺しておけば良かったなァとサカズキさんはちょっと後悔する。

ということで二人が仲良く飲むことはほぼない。でもサカズキさんは主人公に酒を飲ませたがる。基本断固拒否だけど殺意がないとわかれば、10回に1回くらいは一緒に飲んであげる。主人公はサカズキが酒飲んでちょっと口元が緩んでるのを見るのが好き。怒ってる表情の次くらいに好き。

2013/12/13

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -