僕と名前が付き合ったのは今から丁度一年前だ。告白したのは名前からだったけど僕も前から気になっていたので付き合ってみることにした。名前は裏表のない性格からよく周りに慕われ、仕草の一つ一つが可愛らしいので気がつけば自慢の彼女になってた。そんな名前が今日は僕の家にお泊まり。どうしてもって聞かないものだから仕方なく、と言いたいところなんだが実は頭の中はやましいことでいっぱいだった。僕だって年頃なんだからそれくらい仕方ない。そしてタイミングが悪いことに親は不在、家には僕と名前の二人きりなので頭ではもんもんしながらも頑張って自身の欲を抑える。なんか作兵衛の気持ちが少し分かったような気がした。ご飯を食べて、お風呂から出た頃には時計はもう23時半を回っていて自分頑張ったなあ、なんて思いながら布団に横になる。名前は一応客人ので僕のベッドを使わせた。スプリングの音が僕を誘惑するかのようになる。やめろばかああっ!心の声で必死に叫びながら聞こえないように耳を塞ぐ。しばらくすれば名前がベッドから降り、僕の布団の近くまでやって来た。何かと思い振り向けば名前は笑顔で「お誕生日おめでとう」と言ってきた。は?誕生日?急いで携帯を開くとそこには確かに僕の誕生日の日付が表示されていた。


「そっか、誕生日なんだ僕」
「まさか忘れてたの?」
「うん、すっかり忘れてた」
「藤内でも忘れることがあるんだね」
「そりゃあ僕も人間だからね」
「ふふっ、今日家に泊まったのはね、誰よりも一番に藤内をお祝いしたかったからなの」
「え、」


その言葉に僕の中にある何かが音を立てて切れた。僕は我慢出来なくなってそのまま名前を布団に押し倒すとぎゅっと名前を抱き締める。


「と、とうない!」
「一番に、お祝いしてくれてありがとう、すっごく嬉しい」
「藤内…」
「好き、大好き、愛してるよ名前」


そう言って何度も角度を変えながら唇を重ねた。深く深くなるキスに僕は舌を割り込ませる。べろり、名前の舌と絡みあう。あぁ、駄目、益々興奮してきた。


「と、うな、ぁっい」
「何?」
「携帯、鳴ってるよ」
「いいよ、そんなもん、今は名前を堪能したい」
「やっ、と、うない」


チカチカ携帯のライトが点滅しているのが目に入る。どうせ作とかそのへんのやつらからのメールだろう。でも僕は今取り込み中なんで返信は明日の朝にでもすることにするよ。

















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