三之助が女癖の悪い奴だってことぐらい知っていた。でも私のことを一番に優先してくれるし、私にしか愛の言葉を囁かない。私だけじゃないけど私を愛してくれているのならばそれでもいいと思っていた。けど、けどね、実際に他の女と繋がっている三之助を見た瞬間全身に電気が走ったみたいな感覚的に襲われてね、自分じゃどうにもならないくらい感情が抑えきれなくなって私が私じゃなくなるの。気がついたら私の手は真っ赤なの、それで目の前には三之助と繋がった女の死体が転がっててそれを見た瞬間嬉しさが込み上げてくるの。また三之助を独り占め出来るんだって、そう考えたら嬉しくて嬉しくてたまらなくなるの。ねぇ、三之助はこんな私は嫌い?嫌いなわけないよね?だって三之助言ってたもん、俺にはお前だけだって。本当に愛してるのはお前だけだって。だから三之助が私を嫌うはずないわ。どんなに他の女のとこに行っても私がその女を殺すから、だから三之助は私のとこに帰ってくる。


「…お前は、狂ってる」
「狂ってなんかいないわ、私は三之助のことを想ってるだけ」
「いい加減にしろよ」
「…三之助」
「もういい、別れよう」
「っ、待って!ごめんねっ、私が悪いから、だから別れようなんていわないでっ!」
「…もう無理、お前狂いすぎて手に負えないし」
「待ってっ!」


私は必死で三之助を追いかけた、でも三之助は振り向いてもくれない。どうしてどうして私はただあなたを愛してるだけなのに!それだけなのに!気がつけば私はその背中を強く押していた。バランスを崩した三之助はそのまま階段から派手に落ちる。転がり落ちた三之助の頭からは血が流れていた。あーあ、死んじゃった。私と別れるなんて言うから罰が当たったんだわ。でも大丈夫、死体になっても私は三之助を愛してるわ。これからは私だけの三之助だよ。
















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