※現パロ



「ねぇ、僕に惚れてよ」
「あー…無理ですね」


前の席の笹山兵太夫は実に変な奴だ。いきなり惚れろって言われて素直にはいそうします、なんて言うわけがない。大体、なんでいきなりそんな話になった。唐突すぎるにも程があるぞ笹山くん。君中心に世界は動いてはいないんだよ。


「なんで惚れてくれないの」
「なんで私に言うの」
「苗字がいいんだよ」
「答えになってない」


笹山はその変な性格さえ除けば顔はイケメンだし、頭も良いし、女の子になんて困らないはず。それなのに何で私を選ぶんだ、こいつは。私にとっては笹山はただのクラスメートでそれ以上でもそれ以下でもないのに。そんな急に惚れろだなんて無理な話だ。頼むから他を当たってくれ。他を。


「じゃあ惚れさせる」
「は?」
「一週間以内に苗字を落とす」
「ちょっと待て、どうしてそっちの方向に話が進む。普通諦めようよ」
「無理だよそんなの、僕は欲しくなったら手に入れなきゃ気が済まないタイプなんだ」
「え、えーっと…つまりは?」
「苗字が好きってことだよ」


一週間

(果たして私の心臓は持つのでしょうか)


100531.
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -