めも2 | ナノ






龍崎と雅野


全国規模のマインドコントロールによりサッカーを放棄し出す子供たち。唯一サッカーを楽しんでたことを思い出せるのは化身を使える一部の子だけであった。

その影響を受けた帝国学園の状態は深刻であった。化身使いでもあったシードを排除した帝国学園サッカー部。
その当時は自由な管理されることの無いサッカーが出来ると活気が溢れていたが今は誰一人フィールドに立つものはいなかった。
化身使いである者が残っていれば少しはサッカー部の状況は良かったかもしれない。

***
シードであったために帝国サッカー部を立ち去ることを命令された龍崎皇児は放課のチャイムを合図にいつもの様に帰宅するため学園の校門の方へと廊下を歩いていた。いつもならば稀に正面からすれ違うことしかないはずの元チームメイトの姿が見えた。部活の活動場所であるサッカーコートは校門とは反対側であり龍崎と同じ方向へ歩くわけがない、まだ制服から着替えていないのだとしても部活熱心な雅野が部活をせずに帰ることなど考えられなかった。

帝国サッカー部を追い出された龍崎にとって今のサッカー部の事情を知りたくても自ら好んで知りにいくことは気重くしなかった。だがこの疑問は珍しく龍崎を動かした。この雅野の行動にはサッカー部で何かあったのだろうと。龍崎は前方にいる雅野へと早足で近づき声をかけた。



20121008/01:20


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