佐久間と雅野
ある日ふと雅野は気付いた。 御門や龍崎、シードだった者を学園内でぱたりと見なくなかった。本当になにも言わずに去ったのだ。それはとても彼ららしいと思う。帝国のサッカーはこれで元に戻るのだ。総帥の望むサッカーに。 だけど。 あの日からゴールから見たフィールドは何故だか寂しかった。 「どうしたんだ、雅野」 「本当に追い出すことしかでしかきなかったんでしょうか」 総帥は俺たちを…と言いかけて黙ってしまった。
佐久間はその時の雅野がかつての自分に似ている気がした。
「鬼道はマイペースだからな」
微かに微笑む隻眼で過ちが繰り返されないように呟いた。
20121008/00:45
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