恋すると女の子は可愛くなると言うけれど、どうやらそれは本当らしい。私、恋をしてしまいました。伸びてきた前髪を切ろうか伸ばそうか授業中ずっと悩んじゃうくらい。ぱっつんの方がいいかなぁ。伸ばして分けちゃった方がいいかなぁ。あの人はどっちの方が好きかなぁ。どっちの方が可愛いと思ってくれるかなぁ。恋する乙女に悩みはつきものだ。まだ話したこともないあの人。どうやったら仲良くなれるんだろ。なんとかして仲よく、できればお友達になりたい!贅沢言えば、お付き合いをしたい!と、思い立ったら即行動だ。



「お願い臨也くん!クリスマスパーティーに静雄くん誘って!」


「嫌だ。」



臨也くんは私の幼馴染だ。そして私の大好きな人、平和島静雄くんとは犬猿の仲らしい。それでも、私よりは静雄くんとはお知り合いだし協力してもらおうと思ったのに返事はこれだ。意地悪!ばか!臨也くんのはげ!と思いつく限りひどいことを言ってやると、臨也くんはわかりやすい大きな溜息をついた。



「…大体、俺がシズちゃんを誘っても来るわけないでしょ。なんでそんなことがわからないの?ばか?」


「だって臨也くんしか頼れる人がいなかったんだもん!」


「いやいや、新羅とかさぁ。」


「新羅君は今日風邪でおやすみ!」



だからお願い臨也くん!顔の前に手を合わせて頭を下げると、またわかりやすい大きな溜息が頭の上から聞こえた。



「…わかったよ。なんとかしてあげる。」


「ほんとに!?わーーありがとう臨也くん!」


「ただし、条件がある。」


「え。」


「クリスマスにシズちゃんに告白すること。」



これが呑めないならこの話はなしね。と臨也くんは意地悪そうに笑う。できるわけないよね、とその目が語っていた。私は今まで好きだった人に告白できたことなんて1度だってない。いつも恥ずかしくなってあきらめちゃうんだ。でもね、今回は今までとは違うんだよ、臨也くん。こくんと頷いた私の顔を見て、臨也くんはめずらしく驚いた顔をしていた。





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