「…っぁ臨也く」
「黙って。」
ソファーに座る私の上に覆いかぶさるようにして臨也くんはキスをしてくる。どうしよう。こんなにもキスをされたのは初めてでどうしたらいいかわかんない。
啄むように短いキスを繰り返されたあと角度を変えられて長いキスをされる。慣れない行為に上手く息をすることもできず、臨也くんの肩を強く押すけれどそれは許してもらえない。またすぐに唇は塞がれてしまった。臨也くんの左手が頬撫でたり、耳裏を擦ったりと落ち着くことなく動く。
聞こえてくるリップ音と時折漏れる吐息が酷く厭らしくて身体が熱くなった。も、もう限界だ。
「…手、邪魔だよ。」
「ちょ、ちょっと休憩…。」
その綺麗な唇を手で抑える。無理矢理止めたせいかその口元は少しむうっと曲げられていた。
3分でいいからと付け加えると、納得したように笑って優しく抱きしめられた。
「仕方ないねぇ。苦しそうにキスを受け入れてくれるのすごく可愛いんだけど。」
「ちょっとは私の体力も考えて…。」
「だって、今日は君を俺の好きなようにしていいんだろう?」
「う…。」
折原くんの一番喜ぶもの?そうだねぇ、ベターだけど名前ちゃんをプレゼントってのはどうかな。いやいや、男はそういうの夢に見てるものだよ。男のロマンとでも言ってもいいかもしれない。僕の意見を言わせてもらうとそれにメイド服やセーラー服なんかのオプションがつくと更に嬉しい!だから来年の私の誕生日は是非ともセルティをプレゼあいたたたた!!!いだい゙よゼルティ!!!!
そんな新羅くんの言葉を信じて、今日は臨也くんに私をプレゼントしたのだ。オプションは恥ずかしすぎたので却下した。
「あの、プレゼント決められなくてごめんね。今度一緒に選んでくれる?」
「名前がそうしたいならいいけど、君がプレゼントで充分だよ?」
「でも、私なんにもしてないし。」
「結構これでも、普段は我慢してるからさ。いつもどれだけ俺が欲求を我慢してるか今日は君に激しく教えてあげよう。」
「えええ!?」
臨也くんは頬に小さくキスを落とすと、首元に顔を埋めた。チクリ。チクリ。小さな痛みが神経を刺激して心臓が跳ねる。首元には臨也くんがつけた所有の証が赤く染まっていた。血が沸騰したように身体が熱くなって先程の言葉が頭の中でこだまする。
よ、欲求って!?激しくって!?ちょっと怖いかもどうしよう…。
顔には出していないはずなのに、臨也くんにはわかってしまうのか優しく頭を撫でられる。少し困ったように臨也くんが笑った。
「大丈夫。名前が嫌がったり痛い思いしたりすることはしないから。」
「あ、えーと、うん…。」
「でもいつもよりは激しいと思うから、覚悟しといてね。」
「頑張ります…。」
「好きだよ名前。…愛してる。」
「私も、愛してるよ。ずっと…んぅっ。」
「はい、休憩時間おしまーい。」
最後まで言うことができなかったのは臨也くんに唇を塞がれたからだ。臨也くんの舌が口の中を堪能するように荒らしていく。もっと、と言う臨也くんに怖ず怖ずと私からもそれを絡ませた。
こんな感じでいいのかな。普段しない行為だからやり方なんてわからない。私の心配に気付いた臨也くんに上手だよ、と言われてすごく恥ずかしくなった。繋がれた銀の糸がプツンと切れる。臨也くんは本当になんでもお見通しだ。
ふわりとソファーから抱き上げられて、臨也くんの足は寝室に向かう。寄り掛かった臨也くんの胸からトクントクンと心臓の音が聞こえた。
「ずっと好きだよ臨也くん。もし臨也くんが私を嫌いになっても、臨也くんが好き。」
「相変わらず後ろ向きな考え方だねぇ君は。もっと自分に自信を持ちなよ。」
「だって…!!」
「まぁ、嫌いになる予定も離す予定もないけどね。」
ベッドに優しく押し倒されると安心させるように優しく髪を撫でられる。
愛してる。小さく囁かれた言葉を合図に目を閉じた。
今日は貴方の生まれた日。何度目かもわからないくちづけを交わして、何度も愛の言葉を囁いて、何度だって私を求めてよ。
春の日にくちびる舐めて蒸発したい
20110504
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アメジスト少年