「名前ちゃんどうしたの?どっか痛いの?」
「ぐずっ…サイケぇ…。」
サイケは、psychedelic dreamsは音楽ソフトだよ。心臓も持たないアンドロイドを好きになっちゃうなんて君も相当おかしいよねぇ。
臨也に言われなくてもそんなことわかってた。わかってたけど、今まで気づかない振りをしていた。仕方ないじゃない。気付いたら好きになっていたんだから。今まで知り合ったどの人間よりも、音楽ソフトのサイケの方がずっと魅力的だったんだから。
「臨也くんに意地悪されたの?なんか嫌なことあったの?」
「……ぅ。」
「俺名前ちゃんのおはなし何でも聞くからね?おはなしして?」
「…うぇ……き。」
「うん?なあに?」
「好き…サイケ…。」
私は頭がおかしいのかな?サイケを好きになることって変なことなの?自分でも思っていたくせに臨也に言われると、何故だかひどくサイケを侮辱されたきがして悲しかった。サイケはアンドロイドだけど誰よりも優しいし思いやりのある子なのに。臨也よりもずっとずっとサイケは人間らしいのに。
「あのね、俺も名前ちゃん好きだよ。だぁいすき。」
名前ちゃんと一緒にいるとすっごく楽しいし、名前ちゃんが笑ってるとすっごく嬉しいし、名前ちゃんが泣いてるとね、すっごく心配になってぎゅうってしたくなるの。名前ちゃんが臨也くんとおはなししてるとすっごくつまんないし、俺の方を見て欲しくなるんだよ?名前ちゃんとちゅうしたり、ぎゅうってしたり、手をつないだりしたいなぁっていつも考えてるの。俺はアンドロイドなのにね、おかしいのかなぁ?
長い長いお喋りを終えるとサイケもつられたようにわんわんと隣で泣き始めた。全然おかしくない。おかしくないよサイケ。サイケの小さなピンク色の唇にちゅうをして、手をつなぎながら二人してわんわん泣いた。帰宅した臨也が泣きはらした目の私たちを見て、お似合いのカップルだねと笑った。
20110310
頭が悪いので恋ができませんtitle by
アメジスト少年