(臨也vsサイケです。)
「名前ちゃーん!!」
「わわっサイケくん!!」
急に後ろから抱きしめられた。振り向くと白コートにピンクのヘッドフォンのサイケくんがいるわけで、相変わらず可愛いなぁと思って彼とよく似た黒い男を思い出す。顔は一緒なのになぁ。なんであんなに憎たらしいんだろ。
「名前ちゃん可愛い。」
頭をなでなでされて、顔が予想以上に近くって、顔が熱くなる。きっと今顔は赤くなってるんだろうな。でもサイケくんの方が私より断然可愛い。
「ストップ。」
「わわっ!!?臨也くんっ?!」
腕を引っ張られて気づけば私は黒コートの臨也くんの腕の中。ちょっと、いやかなり不機嫌そう。
「名前に手を出すなって言ったよねぇ、サイケ。」
「えーそんなこと言ったかなぁ。」
「言った。絶対言った。」
「でも名前ちゃんは臨也くんより俺と仲良しだよねーっ!」
「はぁ?何言ってんの。俺と名前のほうが仲良いに決まってるだろ。」
私より背の高い彼らは私の頭上で口喧嘩みたいなことを始めた。どっちも口が達者だから、うるさくて仕方ない。だけど臨也くんは腕を緩めようとしないし、サイケくんは握った手を離そうとしないし、ここから逃げることはできない状態だ。
「早く名前ちゃんこっちに渡しなよ。ぼっちくん。」
「嫌だね。仮に俺がぼっちだとしても、そんな俺を名前は愛してくれてるからねぇ。」
「……私そんなこと言った……?」
「プッ、あはははははははは!!!!!!やっぱり名前ちゃんは面白いよ!!」
爆笑してるサイケくんに苦虫を潰したような顔をしてる臨也くん。もしかして状況は更に悪化したんじゃ…と思っているとサイケくんに、握られていた手を強く引っ張られ臨也くんの腕から離された。そしてそのまま逃げるように走るサイケくんに引っ張られて、走りだす。
「サイケくん!?」
「あははっ!今回は俺の勝ちだよ、臨也くん。」
「…俺が簡単に逃がすとでも思ってる?」
ぼくらに愛されるきみ
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