#1 風紀委員長視点

俺の通う高校はとんでもないことに、行事の運営権を握る生徒会やら校内の平和を守る風紀委員やらは@金持ちA容姿端麗B全てを総合しての人気 で決められる。 一年の時はこの「投票選出制」や人気者のファン(というにはいささか強烈すぎるが)が徒党を組んでそいつにつき従う「親衛隊制度」に どうしても馴染めず、たびたび寮にひきこもってたっけ。

けれど慣れとは恐ろしいもので、右も左も分からなかった俺が三年に進級した今じゃ風紀委員長という言ってみればココの2にまで成りあがっちゃったんだから、人生分からないもんだよな。

で、年末にはきまって大掃除し、新年にはこたつの主となり、節分には豆をまき・・・日本には数々の伝統があり、そしてこの高校にもまた「伝統」があった。

風紀委員長である俺と生徒会長である仲島は「伝統的な観点」から、仲が悪くないといけないらしい。
一年の時は同じクラスでそれなりに仲良かったし、 二年の時もすれ違えば軽口を叩くくらいには親密だったはずなのだけれど。お互い風紀委員長として、生徒会長として選出され顔を合わせた途端、仲島は俺を睨みつけて言った。「その汚い面でべらべらしゃべんじゃねえ。低能。」

え、俺、まだ何も喋ってませんけど、と言おうにも、仲島は追い打ちを書けるように更に覚えのない罵詈雑言を浴びせ続け、しまいには俺の鞄をひったくり窓から放り投げたもんだから、俺もブチ切れた。
「ああ、そっか、こっちだってなかよしこよしするつもりは毛頭ねーよ。生徒会長様。」そう俺が睨みつけても仲島はうっとうしそうに顔をしかめただけ。


その日以来、俺達は伝統的に仲が悪い。


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