#5



気が付いたら、上原を押しのけ、貴城を引っこ抜き抱き上げていた。なのに貴城は驚いた様子もなく、すぐさま俺の腰にぎゅうと足を絡ませ、ふふふと笑う。なんで、こんなことしといて・・・
「笑ってんな!お前!俺というものがありながら他の男の膝にのって、他の男膝にのせて!お前みたいなのを尻軽って言う・・・・(ちゅっ)」
「・・・・」
「・・・嘘でした。お前に会いに来たに決まってんだろ。」
首をかしげ目をじっと見つめられ、今度は頬をはむはむと甘く噛みつかれ、俺の顔が一気に熱くなっていく。
「・・・」
貴城を抱え直し、生徒会室の扉を蹴り開け無言のまま廊下を突き進む。


「え?どこいくの?なあ?」
また首かしげてるし。
もう癖なんだろうと思うけど、これは絶対よろしくない。俺しかみちゃだめだと思う。
「俺の部屋いく。」
「え?なんで?なんでなんで〜?」
ニヤニヤしやがって。絶対知ってる癖に。
お前がかわいくてムラムラしたに決まってんだろ!!!察しろ!馬鹿!
「・・・・しょうがないわんこだな。」
優しい手が俺の頭を撫でる。
「部屋もどったらめいっぱい可愛がってやろっと。」
耳元でささやかれたその言葉に、「嬉しい!やった!大好き!」なんてとてもじゃないけど、言えるわけもない俺は「黙れ、バカ。」と蚊の鳴くような声で呟き、ずり落ちそうになるその身体をかかえなおすので精いっぱいだった。

パタパタパタパタパタ

パタパタパタパタ。


【END】


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