#3



三年に進級して生徒会長に選ばれて貴城が風紀委員長に選ばれた時にすぐにまたその箱をこじ開けて、貴城にとっては迷惑でしかない執着に近い厄介な恋心を復活させてしまった。

今度こそ、がんばって振り向かせよう。それが無理でもせめて気持ちだけでもと一念発起し、生徒会と風紀委員の顔合わせに挑んだ。
けれど、貴城が会計の上原のことを「うわ〜めっちゃちっこいなお前、俺の好きなアイドルにめっちゃ似てんだけどおっぱいがないのがすげー惜しいわ。」とぎゅうぎゅうに抱きしめその頭を撫で撫でしてるのを見て今まで積りに積った想いが暴走して、貴城に思ってもない暴言を次々に、それこそ力任せに投げつけ、挙句のはてに癇癪を起し、貴城の鞄を窓から校庭に放り投げると言う暴挙に出た。

俺はチャンスを全く台無しにしてしまった。それからはもう後には引けなかった。顔をあわせるたびに貴城に食ってかかって、やめよう謝ろうと思うのに、上原のことをかわいがってる姿をみるとまた我慢できなくなって。

気がつけば貴城は俺と目も合わせてくれない、それどころか鬱陶しがられてるのがありありと分かった。書類を持ってきても一分もいてくれない。さっと置いて駆け足で執務室を飛び出していってしまう。

自分の狭量さを何度悔んだことか、今度こそ前みたいにって思っても実行できない自分の意気地のなさをどんなに呪ったことか。
そんな鬱々した毎日だったのに・・・


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