「......はぁ、何で男に食べさせてもらうご飯はこうしょっぱい味なんだろう....」
「.....やめるぞこら」
ジャンがいらいらとしながらこちらに匙を向ける。
現在ジョゼはリハビリの温浴に使う湯をもらいに行っているのだ。
「.....まぁでも、二人共無事に帰って来てくれて良かったよ」
「あぁ。.....色々、あったけどな....」
それきりジャンは口を噤む。
ここは隔離された環境のため、情報が全く入って来ない。
.......彼等の気持ちが整理された頃、きっと状況を説明してくれるだろう....
「調査兵団で、ジョゼはよくやってる...?」
「....あぁ。あいつは変な奴に好かれる才能があるからな。変人揃いのあそこではそれなりに楽しくやってるよ」
「好かれ....変な虫は付いていないだろうね」
「あー、割と付いてるかもしれねぇ....」
「なっ....そういうのを排除するのが君の役目だろう...!」
「知らねーよ!何だお前は恋人でも無い癖に偉そうに」
「恋人だよ」
「はっ!?」
「ただいま、お湯貰って来たよ。.....ん、この微妙な空気は何」
ジョゼが湯を張った洗面器を持ちながら病室に入って来た。
固まる兄の顔を不思議そうに見ながらそれをサイドテーブルへと置く。
「いや?ジャンに僕とジョゼが恋人同士だというのを伝えただけ」
「マ、マルコ.....!!それ兄さんに言っちゃったの....!?」
ジョゼの動きもジャンと共に固まった。
「おい.....その反応は....本当かよ.....」
「うん。だから僕とジョゼは恋人同士だとさっきから「マルコ....!もう駄目!!それ以上言ったら....!!」
「てめぇ....いつの間に.....!!こんのスケコマシ野郎め....!」
「コマシてないよ。ちゃんと正規の手続きを踏んでお付き合いに至ったんだ。」
「マルコお願い....。恥ずかしいからそれ以上はもう....」
「大体ジョゼ....!こんなんのどこが良いんだ...」
「あ、それは僕も聞きたい。あとこんなんって言うな」
「えっと.....そんな.....あの......さようなら!!」
恥ずかしさの臨界を突破したジョゼは一目散に病室から駆け出して行った。
「....まぁ時間はいくらでもあるからね。これから聞き出せば良いか。」
「はぁぁあ.....。そうか遂に、遂にか....。
分かってはいたんだが....いざその日が訪れるとすげーショックだ。」
「羨ましい?」
「羨ましくねえよ!」
「実を言うともうキスも済ませた」
「はっ!?」
キルシュタイン兄妹の受難は続く.....
ぷろぐれむ様のリクエストより。
大ケガのif生存マルコを看病しながらラブラブをジャンに見せつけるで書かせて頂きました。
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