捧げもの | ナノ


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「やぁ」

「ん?カカシか」


カカシは任務が終わり待機所に向かう。
中にはアスマしかおらず、一人座って煙草を吸っていた。
手を挙げて挨拶しながらアスマの正面に座る。


「ねーアスマ。ちょっと聞いてよ」

「まーたお前んとこのガキの話か?もう腹いっぱいだぜ」

「まあまあそう言わずに。ね?」


ため息をついたアスマに向かってにっこり笑いかけ首をかしげるが、男の彼には逆効果。
思いっきり顔をしかめた。


「カカシ…俺は男だ」

「ごめんごめん。冗談だーよ」

「…で?今度は何があったんだ?」

「うん、あのね…
カイトとユウトが俺のこと“おとうさん”って呼んでくれないんだ!
名前のことは“おかあさん”って呼んでるのに!!」


カカシは手で顔を覆い隠す。

こりゃ長くなりそうだな…。
アスマははぁ〜…とさっきよりも盛大なため息をついた。





長男のカイトと次男のユウト。
二人はカカシと名前の双子の子供だ。
二人とも容姿こそそっくりだが、性格はかなり違う。
カイトは、ユウトよりおとなしく、自分を失わない。
おとなしいと言ってもユウトは元気過ぎるので、普通くらいなのだが。
そして引き際を知っているのか、五歳児とは思えない判断力を持っている。
頭も良く、将来は優秀な忍になるだろうとカカシも名前も期待している。

ユウトは次男坊だけあると言ったところか。
とにかくはしゃいで元気一杯。
怖い物知らずで何事にも臆せず挑戦する。
戦闘能力に長け、みんなを引っ張っていくリーダーになれる素質を持っているが、考えなしな所があるのが問題。

そんなカイトとユウトだが、容姿で違うところは髪の色のみ。
他は瓜二つだ。違いを探しても全く見当たらない。
二人共髪型はカカシそのものだが、カイトは名前譲りの黒髪、ユウトはカカシ譲りの銀髪。
カカシと三人で並ぶとかなりそっくりなので、みんなが笑うほどだ。




「それでね、アスマー」

「はいはい」

「この前ね…」


話始めてはや三十分。

アスマの傍らには灰皿に山盛りになった煙草の山。

よくネタがつきねえな…
そう思うくらい話すカカシ。
アスマは相槌を打ったりしかしてないので、カカシがほぼ一人で喋っている状態なのにだ。


「ちょっと聞いてる?」

「あ、ああ」


カカシは煙草の残量を気にしているアスマを軽く睨む。


「で?続きは?」

「ちゃんと聞いててよ。
でね…」


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