捧げもの | ナノ


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「「カカシー!!」」


カイトとユウトが目一杯の声で叫ぶ。


「カカシいるの?」


名前と紅も続けて入ってきた。


「おーおー元気なこった。
…にしてもほんと、髪色しか違わねえな」


初めて二人を見たアスマは率直な感想を述べた。


「「カカシこのひとだあれ?」」

「アスマって言うんだよー」

「くまさんみたーい」

「熊じゃねえ!」


ユウトの言葉にアスマは怒る。


「まぁまぁ、相手は子供なんだし抑えてよね。…ぶっ」

「カカシてめぇ何笑ってんだ!」

「気のせいだーよ」

「ごめんねアスマ。しつけがなってなくて…」


名前は申し訳なさそうに言う。


「まあ…大丈夫だ、気にすんな。
お前らカイトとユウトってんだろ?」

「「なんでしってるの?」」

「お前らの親父から散々聞いてるからな」


と言ってカカシを見る。


「くまさんカカシとなかよしなんだ!!」

「だから熊じゃねえって言ってんだろうが!」


ユウトは笑いながらカカシの後ろに隠れる。


「くまさんははちみつがすきなんでしょ?」

「お前何かと勘違いしてるだろ!」




「おかあさんおかあさん」


アスマとユウトの言い合いを苦笑しながら見ていた名前の腕をカイトが引っ張る。


「ん?なぁに?…ッ!」


カイトと同じ目線に屈んだ直後にキスされた。


「おかあさんとちゅーしたかったの」

「もうカイトったら…」


名前は少し赤くなりつつも、カイトをぎゅっと抱きしめた。


「…ねぇカカシ?あの子さっき私にも同じことをしてきたんだけど、いつあんなことを教えたのかしら?」

「お、俺は教えてないよ!?」


名前とカイトのやりとりを冷静に見つつ質問する紅に焦るカカシ。


「じゃあ遺伝かしら…。
あの子は将来かなり女たらしになるわよ、きっと」

「ハハ…」


カカシは乾いた笑いしか出なかった。


「おかあさんもういっかいしよう?」

「しょうがないな〜」


チュッ


キスしてる最中、カイトがカカシの方を見て意味ありげに微笑んだ。
カイト…そういうことだったのね。


「アスマ、紅、カイトとユウトを引き付けといて」

「「は?」」


カカシはソファーから立ち上がった。


「はい、今日はもうこれで終わりだからね?」

「うん!ありがとう」


カイトは満足そうな笑顔を残してアスマと遊んでるユウトの方へと行った。


「名前」

「カカシ?どうしたの?」


突然近寄って来たカカシに名前は不思議がる。


「カイトにはあんなにたくさんキスしといて俺には無しなの?」

「は?ちょ、何言って…」


問答無用とばかりに名前を壁際においやるカカシ。


「まぁ、カイトが先に仕掛けてきたからしょうがないよね」

「だからカカシ何言ってるの?…ッ、あ」


カカシは名前の顎を持ち上げ、壁に押しつけてキスをした。
名前が反論しようと口を開けた隙に舌を入れ、絡ませる。


「カカシがおかあさんとキスしてるー!」

「うそー!!」


二人が見ようと近づく前にアスマと紅がそれぞれの目と耳をふさいだ。


「あのバカ」

「本当にね」


アスマと紅はため息をついた。


「ん、ふぅ…」


息苦しくなり、名前はカカシの肩を叩く。
やっと口を離したカカシ。


「カカシの馬鹿!!変態!!」


顔を真っ赤にして怒る。


「ごめーんね」

「全然反省してないでしょ!!」

「でもキスなんて久しぶりじゃない?」

「そ、そうだけど…」

「気持ち良かった?」

「う、うるさい!!そんなのわかんないわよ!」

「あらら、顔真っ赤だよ?
ね、名前。今夜は久しぶりに…」


続きの言葉を紡ぐ前に、


「カカシのへんたーい!!」

「おかあさんになにすんのー!!」


カイトとユウトに飛びかかられて、さらに耳元で本気で怒鳴られ、何も言えなくなってしまったのだった…。



カカシの悩み事
(1,おとうさんと呼んでもらえない)
(2,名前とイチャイチャできない)



◆おまけ1
「「しばらくおかあさんにはちかづけさせないから!!」」

「えっ!」


◆おまけ2
「…紅、俺そんなに熊に似てないよな?」

「アスマ…」



→あとがき→


  

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