2/3 花隠れの里は規模は小さいが、多種多様な花を栽培・出荷しているため、とても活気づいている。 「お帰り、名前」 「ただいま父さん」 出迎えてくれたのは父さんだった。 家は古風な作りだけど、掃除が行き届いているのかとても綺麗だった。 きっと毎日母さんが掃除しているのね。 「粗茶でごめんなさいね」 居間に入り、母さんが私とカカシにお茶を出してくれた。 「そんな、とんでもない。頂きます」 そろそろ言おうかしらね… カカシの方を見ると、同じことを思っていたのか、私を見ていた。 「父さん、母さん、話があるの」 「何だ?」 「私、こちらのはたけカカシさんと結婚するから」 「…ほう」 「まぁ、そうだったの」 父親はきょとんと、母親は両手を合わせて笑顔になった。 「カカシは木ノ葉にとって必要不可欠な存在だから、私が木ノ葉隠れの里に住むことにしたの。 その許可をもらいに来たんだけど、いいかしら?」 「ああ、いいとも。おめでとう」 「よかったわね、名前」 もうちょっと反対するものかと身構えていた私は、にこやかに祝福してくれる二人を見て呆けた顔になってしまった。 「…本当に、いいの?」 と聞いても、 「何を言ってるんだ。もちろんだよ」 と返される始末。 「まあ、血継限界を持った我ら一族は、本来なら他里に出てはならない決まりだが、名前の見込んだ相手なら大丈夫だろう」 「二人ともお幸せにね」 「…ありがとう、父さん、母さん」 二人の笑顔を直視できず、うつむいてお礼を言った。 初めてウェディングドレスを着て、初めて人前でキスをした。 カカシは普通の涼しい顔をしていたのが、すごく悔しかったけど。 左手の薬指に光る指輪を見たら、何かどうでもよくなっちゃった。 「名前、愛してるよ」 「わ、私もよ」 あ、また笑ったわね! だってすごく可愛いから (真っ赤になって言う名前が) (とてもいとおしいと思ったんだ) ◆おまけ 「ママごはんー!!」 「あーはいはいちょっと待ってね! カカシ、オムツ替え手伝って!」 「オギャー!」 「ママ〜!!」 「これじゃあ名前とイチャイチャできない…」 二、三年後にこうなることを、今のカカシはまだ知らない。 →あとがき→ ← 戻 → |