頂きもの | ナノ


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「ん〜、完璧!」

いつもと違う私を見て、カカシってば惚れ直しちゃうかも。
少し早いけど、私は待ち合わせ場所に向かった。

「お、名前ちゃん。今日はまた一段と可愛いね!」

「褒めても、今日は何も買いませんよー」

「そんなオシャレして、デートかい?」

「そうなんです!」

魚屋のおじさんに手を振り、私はウキウキな気分で道を進んだ。
待ち合わせ場所に着いたけど、カカシはまだ来てないみたい。

「任務が長引くようだったら、パックンが知らせにくるって言ってたしね」

用途はちょっと違うけど、忍犬って便利だなって思う。
周りをみると、私と同じように、誰かを待っている人が結構いる。
待ち人が恋人かはわからないけど、その待ち顔は嬉しそう。

「カカシ、早く来ないかな〜」

初めはウキウキしながら待っていた私。
時間が経つにつれ、私と同じように誰かを待っていた人が1人、また1人と待ち人と去っていく。
いつの間にか私1人だけが、残されてしまった。

「どうして来ないの?」

斜向かいの店の時計を見ると、約束の時間は、とっくに過ぎている。
現段階で1時間の遅刻。
コートを着ているけど、冬場にじっと立って待っているのは忍でも、さすがに寒く鳥肌がたってしまう。
お腹も、何か食べ物をちょうだい!って、言ってるわ。
幾人もの知り合いに会い、いつの間にか時間確認に使っていた店も、閉店時間を迎えた。
シャッターが閉まると、辺りは暗くなり、私を照らすのは外灯のみ。
店が閉店する前、時計の針はすでに約束の時間から、4時間を過ぎたとこを差していた。
カカシどころか、パックンがくる気配もない。

「何で来ないのよ〜!」

足が疲れて、しゃがみ込んだ時だった。

「名前?」

声がした方を向くと、そこにいたのはアスマと紅。

「どうしたの、こんなところで?」

「カカシを待ってるんだけど、なかなか来なくいの」

「カカシなら今頃……」


私は今、里を走っている。
多分、すごい形相だと思うけど、今はそんな形相になっても仕方ないと思う。


「カカシなら今頃、映画館じゃない?」

「映画館?」

「自来也様が原作書いてるなんつったか、あれ」

「イチャイチャパラダイス」

「それそれ。その映画がまたやるとかで、嬉しそうに観に行ったぞ」


どうやら、楽しみ違いだったみたい。
私はデート、カカシは1人で映画……自分から誘ったくせに!
映画館に着くと、私は外にある上映スケジュールを見た。

「イチャイチャは……、終了は23時ね」

映画館の時計を見ると、現在時刻は22時半。
私はカカシが出てくるまで、映画館の外で待つことにした。
風なんか、冷たく感じない。
怒りで体が熱くなってるもの!

*



  
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