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「もう暗いから、送って行くよ?危ないでしょ?」
カカシ上忍は、そう言ってニッコリ笑う。
確かに、一人は心細いけど…。
その時、私の後ろに何かの気配を感じて、さっと後ろを振り返った。
けど、誰もいない…。
思い出と混ざって、さらに怖くなった。
「お、お願い、します…。」
「ん、了解。」
家までの時間、カカシ上忍は他愛もない話で私を笑わせてくれた。
それだけで私は、恐怖が少しだけ和らいでいくのを感じていた。
カカシ上忍は、いつも私を驚かせてばかりいるのに、この時ばかりは、私との一定の距離を保ってくれていた。
「あ、ここでいいです。もう家が見えて……。」
「名前ちゃん。」
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