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私は思わず足を止めた。
なんでこんな時に、思い出すかな。
時間もちょうどこれくらいだったし。
…やだな、もう。
私は、止まってしまった足をなんとか動かして、家へと歩きだそうとした。
ら。
「待ってよ名前。もう遅いから送って行くよ。」
「きゃああああ!」
いるとは思わなかったカカシ上忍の声が、耳元で聞こえた。
「ちょ、ちょっと、そんなに驚かないでも…。」
「け、気配消して近づかないでください!!」
「いや〜、名前の反応が面白くてつい。」
あははと笑うカカシ上忍に、私はムッとした。
あんなこと思い出していたから、余計に驚いた。
やっぱり、この気持ちは、消えそうにないらしい。
消したくて、私は忍になったのに。
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