NARUTO短編 | ナノ


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「こーら名字。
なんでネクタイそんなにゆるめてるの。校則違反でしょーが」


やる気のない声で私に注意する人は、教師・はたけカカシ。


「だってカッチリ締めるのなんてダサいじゃん!」

「ダサいダサくないの問題じゃあないの。
それに第三ボタンまで開けて。全く、お前って奴は…」


確かにはたけ先生の言う通り、ネクタイをゆるめることは校則違反だし、Yシャツのボタンを開けていいのは第一までと決まっている。

だけどそんなにカチカチしてるのなんて嫌だ。
もっと自由に私を表現したいの!


「はいはい後で直すから。
じゃあねはたけ先生〜」


軽やかに言った言葉とは対照的に、走って逃亡を図る。
はたけ先生は熱血教師でもないし、きっと追いかけて来るなんてことは…あれ!?


「待て名字〜!」


追いかけてきてた。
しかも、全力疾走で。


「いやああぁあ〜!!」


何で来んの!?
先生そんなキャラじゃないはずなのに!!


「綱手校長に言われたんだよ。
“もっと生徒に厳しく指導しないと、給料下げてその分を私が貰う”って…」


私の心の叫びを聞き取ったかのような先生の情けない声。
つかそれって犯罪じゃ…?


「綱手校長には弱味握られてるからね〜ハハ…」


先生、御愁傷様です…


そんな会話らしきものをしていたら、はたけ先生が私の腕をつかんだ。
先生足速いよ〜…


「はい捕まえた」

「ち、ちゃんと直すから離してよ」

「お前言葉使いもなってないな。先生は年上だぞ?
みっちり説教してやる」


はたけ先生は私の腕をつかんだまま、空き教室の中に入った。


「もうわかったってば!
はやく腕離してよ」


私ははたけ先生に抗議するけど、先生は全く聞いていないみたいで、


「まずはネクタイか」


私のネクタイをシュルッととった。


「何してんの!?」

「うるさいよお前。少し黙って」


私は次の言葉に硬直した。


「お楽しみは、これからだーよ?」


はたけ先生の顔が、ニヤリと妖しく笑った。





「ちょ、先生!?」

「ん?説教すんだから無駄な抵抗されたら困るじゃない」


はたけ先生は私の背後に立つと、自分のネクタイをとって私の両手首を後ろ手に縛った。
私のネクタイは先生のポケットの中に入っている。


「やめてよ!これからちゃんとするからっ…」

「そんなのどうせ一時の言葉でしょ?
名字が改心するように、俺頑張るからさ」


はたけ先生はそう言うと、私の首筋を指でなぞった。


「ッ…」

「さ、まずはボタンだーね」


先生は私の背後に立ったまま、手を前に出してきた。


「ここから見ると、黒いシャツの中からブラジャーが見えるね。色はピンク、かな?」


私はYシャツのボタンをわざと下まで開けて、中に着たキャミソールを見せるのが好きだった。
それがこんな仇になるなんて…
視界が霞んできた。
涙が少し溜まっているのがわかる。


「せんせ、もう…」

「やめたりなんかしないよ?
それより名字、結構胸大きいんだね…」


はたけ先生は掠れた声で呟く。
先生の指がボタンにかかる。


「嫌っ、はたけ先生やだぁあ、開けないで!」


だけど私の予想とは違い、先生は第三ボタンを閉めた。


「ふう、先生の理性に感謝するんだよ…?」


耳元から、マスク越しの先生の声が響く。
その声にビクッと反応する。
危なかった…
でも、よかったよぉ。
私は心底安堵した。


「俺のことは、カカシでいいよ。俺もこれから名前って呼ぶし」

「カカシ…先生」

「まあ、それでいっか」


第二ボタンも閉めた先生。


「第一は首がキツいと思うし、やめようか」


先生はそう言って、ポケットから私のネクタイを取り出した。


「名前はネクタイもちゃんと締められないから、先生がやってあげるね」

「で、できるもん!」

「できてたら先生だってやんないよ?
日頃があんな子に言われてもねぇ…」

「う…」


やっと手首の解いてもらえると思ったのに!


「さ、やろうか」


先生はしゅるりとネクタイを巻いていく。


「あ、間違えちゃった」


でもそう言っては何度も何度もやり直す。
私は首に当たるネクタイがくすぐったくて、気づいたら声を上げていた。


「んっ…カカシ先生ぇ、くすぐったいよぉ」


体をひねって避けるもどうにもくすぐったい。


「ごめーんね?」

「私、くすぐったいの弱いんだから」

「そうなんだ?でもね、名前」


“そんな声聞いちゃったら、俺、我慢できないよ?”

耳元で聞いた声に我に帰る私。
なっ…私、なんて声を!!
先生はマスク越しに湿った吐息で私の耳を犯す。


「ッ…先生ぇ、やめ」

「名前の体、さっきからいい香りするんだよね…
もしかして誘ってる?」

「そ、んなわけないで、くすぐったい!!
それに耳元で喋るのやめてよっ!」


私は体を動かして抵抗する。
そうだよ足は自由だったじゃん!


「名前は自分で自分を追い込めるのが好きだねぇ。
じゃあこんなことしちゃうよ?」

「!!」


カカシ先生は私のお腹あたりに手をまわし、片手で抱きしめてきた。


「これでもう動けないね」


カカシ先生は嬉しそうに笑う。


「やだぁ離して!」

「抵抗しなければすぐ終わるから。ね?」


ネクタイも今度こそ正しく締めて、もう終わりと思ったとき。


「最後に言葉使いを直さなきゃーね」

「え、まだあるの…」

「それほど名前には問題が山積みってことだーよ?」


いや、そういう意味じゃないんだけど…




そろそろカカシ先生のタチの悪いセクハラをやめてもらわないと、私の体も本気になる、から…




「ねぇ名前、さっきからもじもじ体動かしてどうしたの?」

「も、もじもじなんかしてないもん…」

「そう?俺のアレも擦れてちょっと危ないんだけど」


カカシ先生が私を後ろから抱きしめてるから、さっきよりかなり密着してて。
カカシ先生の心音、はやいな…
先生も興奮、してるのかな…?
つか!まじで何かちょっと大きくなったモノが当たってるんだけど!
これ以上はだめっ…


「ね?これからはちゃんと反省して、先生に対して敬語使うって約束したら、名前が今一番してほしいことしてあげるよ」


今一番、してほしいこと…?




それは、カカシ先生と…




私の口は勝手に動いていた。


「誓うっ、約束するから!!」

「本当に?できる?」

「う…はい。できます」

「いい子だーね」


カカシ先生はそう言うと、目をつむってと言ってきた。
ドキドキする。
やっぱりまずはキスからだよね…























しゅる…


「はい。いいよ」

「え?手…」

「うん。解いたよ」

「ええー!?」


カカシ先生は私の手を巻いてたネクタイをとっただけだった。


「なぁにその声。名前、さっきからとってってうるさかったじゃないの。
それとも他にあったの?」

「あるに決まっ…いや、ない、です」


カカシ先生とイケナイことしたかっただなんて言えない!!


「じゃあもう終わりですよね!
私帰りますっ」

「はいはい。いいよ」


私は勢いよくドアを開けてダッシュで走り出した。




ドキドキのお仕置き
(先生のバカぁあ〜!!)
(絶対日頃の行いのせいじゃない!!)



◆おまけ
「…まあ、言葉の説教なんてどうせ効かないだろうから、ずるいとは思いつつもああしたわけだけど…」


はたけカカシははぁとため息を吐いた。


「まさか年下、しかも生徒相手にこーんなにドキドキしちゃうなんてねぇ、俺も困ったもんだ」


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