NARUTO短編 | ナノ


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「じゃー今日の任務終わり。お疲れー」


カカシ先生の言葉でみんな帰りだす。


「一楽でラーメン食べるってばよ」


ナルトは嬉しそうに駆け出し、


「帰るぜ」


サスケも背を向けて行ってしまった。


「じゃあまたね、カカシ先生、名前」


サクラは私たちに手を振ると、待ってサスケく〜んと言ってサスケの後を追った。

…じゃあまたね、「カカシ先生」?
隣を見た。


「ん?どーしたの、名前?」


カカシ先生がニコニコ笑っている。


「…何でいるんですか、カカシ先生」

「ひどいなぁその言い方。いちゃダメなの?」


先生は悲しそうに顔に手をあてるけど、ちっともそんな風に見えない。


「いつもすぐ帰るのに今日はまだいるなんて」

「んー?たまにはね」

「まあいいですけど。私も帰ろうかな」


ぐうぅっ〜
言った矢先にお腹の鳴く音。


「うわっ…」


私はお腹を必死に押さえるけど、鳴り止んでくれない。


「今日の任務結構ハードだったもんねぇ」


カカシ先生がフォローを入れてくれるけど、それが逆に死にたくなるほど恥ずかしい。


「かっ、帰ります!」


私は真っ赤になった顔をカカシ先生に向けないようにしながら走りだした。


「団子でよければおごるよ?」


カカシ先生はそんな私を見てにっこり笑って言って下さった。







「いっただっきまーす!!」


行儀良く手を合わせると私は団子を口に入れる。


「やっぱ甘栗甘の団子はいつ食べても美味しい〜」

「よかったねぇ」


カカシ先生は読んでいた愛読書から目を離して嬉しそうに目を弓なりにする。

あの後カカシ先生に本当におごってもらうことになり、二人で甘栗甘に来たのだった。


「でも本当におごってもらっちゃって良かったんですか?」

「うん。そんな美味しそうな顔見れただけで十分だから。気にしない〜の」

「ありがとうございます」


カカシ先生優しいな。
なんてこんな時に思う私は現金だろうか。


「あ、でも今団子食べたら夕飯入らなくなるかな?」

カカシ先生がしまったという風に言ってくれるけど。


「いえ、今うち親いなくて私一人なんで平気ですよ」


私の父は長期任務でいない。

そう言うと先生はそっかとうなずいた。
母のことは言わなくてもわかってる。


「そらの上忍は強くて頼りになるからねぇ」

「そうなんですか?」

「うん。前一緒に組んだことあるけどかなり強かったよ」

「へえ〜」


私の父―そらのアオイは上忍で、今は長期任務で里を出ている。
父さんは自分のことは茶化して話すから実際どのくらいの忍なのかわからなかった。
でも、カカシ先生がそう言ってるんだから本当なんだろうな。
何だか嬉しい。

母さんも忍だったけど、九尾の妖狐が木ノ葉を襲った時に死んでしまったらしい。
私はその時まだ小さくて、記憶がなかったから父さんから聞いた。
父さんは自分のことは茶化しても、母さんや他の人の話のときは真面目に話してくれるから、そこは信用できる。


母さん、どういう人だったんだろうな…


私が思いにふけっていると、


「うち来ない?」


カカシ先生はびっくり発言をしてきた。


「え…何でですか?」

「それだけじゃまたすぐにお腹空くでしょ」

「まあそうですけど…でも大丈夫ですよ」

「遠慮なんかいらないよ?
俺が作るから名前は待ってるだけでいいし。ね?」

「あ、じゃあ、はい…お願いします」


顔は笑ってるけど目は本気な先生に否定の返事はできないと直感的に感じた私は、渋々肯定の返事を返した。





「出来たよ」


カカシ先生は炒飯を用意してくれた。
私の方が量が少なくて、優しさを感じる。


「いただきます」

「どうぞ」


カカシ先生の口布をとった顔は想像以上の美形だった。
思わず見とれていた私に、カカシ先生は不思議そうな顔をした。


「何かついてる?」

「いえ、何にもっ」


うわ〜バレた…。恥ずかしい。
しかもカカシ先生は、食べるのがめちゃめちゃ早い。
私より量が多いはずなのに、あっという間に食べ終えてしまった。
私の方はまだ残ってる。


「名前、食べ方可愛いね」


ニコニコ顔で言ってくるカカシ先生に顔を赤らめてしまう私。


「あ、名前、口の端にご飯つぶついてるよ」


ひょいっと指で取ってくれるカカシ先生。
恥ずかしい…。






「ふぅ、ご馳走様でした。
ご飯とっても美味しかったです」

「お粗末様でした。美味しいって言ってもらえて嬉しいよ」


ご飯を食べ終えて、食後のお茶を頂く。
お世辞抜きで本当に美味しかった。


そういえば、先生の部屋入るの初めてだなー…
私は周囲をちらちらと眺める。
綺麗に整頓されてて、無駄なものがない。
カカシ先生らしいな。
うわ、イチャパラ置いてある…
私は綺麗に並べられているカカシ先生の愛読書を見て、思わず目を細めた。


「名前、もしかしてイチャパラに興味あるの?
ませてるね〜」

「そんなんじゃありません!」


カカシ先生はニヤニヤいやらしい笑みを向けてくる。


「もうちょっと大人になったら読めるよ。今は諦めなさーいね」


そんな忠告いりません…





「それじゃあ帰りますね」


外は真っ暗だ。


「家まで送ろうか」

「私だって一端の忍です。平気ですよ」

「そっか」


私の言葉にカカシ先生は頭をかく。


「今日は、色々ありがとうございました」


私はぺこんとお辞儀をしてドアノブに手をかけた。


「待って名前、お土産あげる」

「え?なん…」


カカシ先生は私の顎をつかむと口布を下ろしてキスをした。


「!?」

「またいつでもおーいで」


先生はそう言ってじゃあねーといつものように手を降った。



一緒にご飯
(先生、キスなんて…!)

(まだはやかったかな?)
(でももう我慢できないよ)


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