NARUTO短編 | ナノ


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ねえ、カカシ。好きだよ。
















上忍待機所にて。
私の今日の任務は全て終わり、あとは待機解除を待つだけだった。
暇だな…
まだ他の忍は任務が終わらないようで、部屋には私だけ。
暇だよ…
いつもは誰かしらいるから、こういう場合何していいのかわからない。
何もすることもなく、ぼうっとしていたら、アスマの担当している下忍の男の子を思い出した。
そうだ。あの子に倣って空でも眺めようかな。
上を見れば空は赤くなり始めていて、今が夕方なのを教えてくれる。
みんな…無事かな…
心配になったその時、


「名前、いたんだ」


ガチャ、とドアが開き、カカシがいつもの笑顔で手を上げて入ってきた。


「カカシ!?」


カカシの突然の登場にドキドキして、焦った言葉が口から飛び出る。


「そーだよ?どうしたのよ、そんなに慌てて」

「いや…、みんな帰って来ないから大丈夫かなって心配してたら、カカシが来て…」

「今日はねぇ…特別だーよ。名前はもう待機だけ?」

「そうだよ。カカシは?」

「俺もだーよ」


にっこり、素敵な笑顔で私に笑いかけてくる。
うわ…そんな顔向けないでよ…
心臓がうるさい。顔が熱い。


「外見てたの?」


カカシが私に近寄りながら聞いてくる。
今待機所内は私とカカシの二人だけだから、近くに来るのもわかるけど。
やばい。ドキドキしすぎて死にそう。


「うん。暇だったから」


さらに赤くなった顔の赤みを知られないように窓枠に頬杖をつく。


「今日は綺麗だーね、空」

「そういえば、昨日は曇ってたよね」

「…ね、名前は好きな人とかいるの?」


私の気持ちを知ってか知らずか、突然聞いてくるカカシ。
驚いてどもりながら答える。


「い、いるにはいるよ」

「へえ。誰?」

「内緒」

「えー」


カカシはしょんぼりした風を見せる。


「それ…おじさんがしても可愛くない」

「ひどっ!今のは傷つく」

「カカシは…好きな人いるの?」


私が思いきって聞いてみれば、カカシはとんでもないことを言い出した。


「ね、今みんながいないのは何でだと思う?」

「任務じゃないの?」

「ちがーうよ」

「じゃあ何なの?」

「俺の誕生日プレゼント」

「は?だってカカシの誕生日まだ先じゃない」

「俺と名前の任務が少ない日は今日だけなんだよ」

「それが誕生日プレゼントと何か関係あるの?」


私がそう言うと、カカシははぁとため息をついた。


「全く鈍いねえ、名前は」

「わ、悪かったね鈍くて!それよりはやく教えてよ」

「だから、俺の誕生日プレゼントは、名前と二人っきりになることだーよ」


カカシは普段とは違う笑顔で私を見つめる。

それ…本気、なの?
そんなこと言われちゃったら、期待しちゃうよ…
でも、私は気づかないふりをして言葉を紡ぐ。
ずるい、かな。


「私と二人っきりになってどうするの?」

「わかんないかなー」

「わかんないから聞いてるの!」


ウソ。本当は気づいてるよ。
でも、勘違いだったら怖くて。
あなたの口からちゃんと聞きたいの。


「ふう、仕方ないね」


カカシは私をゆっくり抱きしめた。


「俺は、名前が好きなんだーよ。わかる?」


その言葉に顔が熱くなる。
私は何も言わない代わりに、カカシを強く抱きしめ返した。



二人っきり
(私もあなたが好き、カカシ)


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