1/1 みーんみーんと、外で蝉が鳴いている。 見るからに暑そうな外とは違い、名前からの要望でクーラーをつけた室内は涼しく、快適な空間だ。 窓から見える風景は太陽がギラギラと輝いていて、真夏になったことを証明している。 俺は外を見ながら、ふぅと息をついた。 今日が休みで良かった。 こんな日に任務なんかあったら、敵より日射しにやられそうだね…。 「もう夏なんだーね」 思わずぽつりと呟くと、 「そうだーよ」 と、返事が返ってきた。 「口真似はやめなさいって」 あんまり似てないし、と言う言葉を飲み込んで、名前に抗議する。 「へへっ、いーじゃーん。カカシのまーね」 寝転がりながら、名前は悪びれずもせず、にししと笑った。 それがナルトに似ていて、思わず苦笑する。 「どうしたの?」 「べーつに。それより、外、暑そうだね」 「そうねぇ。あ、買い物行くの面倒だから、影分身出してよ」 「なっ、忍術を何だと思ってるの。駄目に決まってるでしょうが」 「えー?その間、カカシとイチャイチャしようと思ったのにぃー。 カカシ、久しぶりの休日だから、いっぱいサービスしてあげようと思ったんだけどな〜。残念だな〜」 語尾を伸ばしながら、ちらっと俺を見る名前の目は、そんなことを微塵も考えてないのがばればれだった。 けれども、じっと見られ続け、 「………わーかったよ、全く…」 俺が折れた。 「うわーい!ありがとカカシ!」 ごろごろと寝転がる名前の嬉しそうな顔を見たら、こっちも嬉しくなって。 今日が休みで良かった。 「名前には、勝てないよ」 そう思った、とある夏の日。 (何か言った?) (何でもないよ) 100801 ← 戻 → |