NARUTO短編 | ナノ


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みーんみーんと、外で蝉が鳴いている。
見るからに暑そうな外とは違い、名前からの要望でクーラーをつけた室内は涼しく、快適な空間だ。
窓から見える風景は太陽がギラギラと輝いていて、真夏になったことを証明している。
俺は外を見ながら、ふぅと息をついた。
今日が休みで良かった。
こんな日に任務なんかあったら、敵より日射しにやられそうだね…。


「もう夏なんだーね」


思わずぽつりと呟くと、


「そうだーよ」


と、返事が返ってきた。


「口真似はやめなさいって」


あんまり似てないし、と言う言葉を飲み込んで、名前に抗議する。


「へへっ、いーじゃーん。カカシのまーね」


寝転がりながら、名前は悪びれずもせず、にししと笑った。
それがナルトに似ていて、思わず苦笑する。


「どうしたの?」

「べーつに。それより、外、暑そうだね」

「そうねぇ。あ、買い物行くの面倒だから、影分身出してよ」

「なっ、忍術を何だと思ってるの。駄目に決まってるでしょうが」

「えー?その間、カカシとイチャイチャしようと思ったのにぃー。
カカシ、久しぶりの休日だから、いっぱいサービスしてあげようと思ったんだけどな〜。残念だな〜」


語尾を伸ばしながら、ちらっと俺を見る名前の目は、そんなことを微塵も考えてないのがばればれだった。
けれども、じっと見られ続け、


「………わーかったよ、全く…」


俺が折れた。


「うわーい!ありがとカカシ!」


ごろごろと寝転がる名前の嬉しそうな顔を見たら、こっちも嬉しくなって。
今日が休みで良かった。



「名前には、勝てないよ」



そう思った、とある夏の日。



(何か言った?)
(何でもないよ)



100801


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