NARUTO短編 | ナノ


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寒い朝、真っ白い何かが空から降ってくるのを見つけて、私はベッドから飛び起きた。
あれってもしかして…!!
興奮して足をもつれさせながら窓に近づく。
外は一面雪で真っ白だった。




やったあー!!











「見てみて!雪だよカカシ!!」

「ん、ほんとだーね」


私のはしゃいだ大声に、カカシは返事と欠伸をしながら私の横に来る。


「あ、おはよっ!」

「おはよ」


今気付いた、というような私の挨拶に苦笑気味に応えた。



何故私がこんなに興奮しているかというと。
私たちが付き合い始めて初めての冬。
そろそろクリスマスと言う、恋人たちのビッグイベントが間近に迫っているのが感じられて、すごくわくわくするのと。
もうひとつ、一番大きな理由が、カカシと雪だるまを作りたかったから。


ずっと、好きな人と雪だるまを作って玄関に飾るのが夢だった。
小さい頃にテレビで見たそれがすごくラブラブに見えて、ずっと憧れてた。


今日やっとその願いが叶う!


そう思ったらにやけっぱなしだった。
雪も夜の内に大分降ったのか、結構積もってる。


「ねっ、雪だるま作ろうよ!」

「いいよ。そういえば、名前、ずっと作りたいって言ってたよね」


にっこり笑いかけてきたカカシに思わず顔を赤らめた。
朝から…かっこよすぎだよ。


「う、うん!
じゃあはやく顔洗わなきゃ!」


どたどたと走る私に、カカシは表情を苦笑に戻した。










「きゃー冷たいっ」

「元気だーね」


手袋越しの雪の冷たさに手を引っ込める。
けど、嬉しくて。
思わずふふっと笑う。


「どうしたの?」

「あの、ね。本当に嬉しいの」


カカシと、あの憧れだった、大好きな人と雪だるまを作れることが。
ほんとに、本当に嬉しい。


「…俺も、嬉しいよ。名前がそんなに憧れてたことを、俺が一緒にできるなんて」


そう言って笑ったカカシに、どきんと胸が高鳴った。


「…ありがと」


カカシがぼやけて見えたけど、気にせず笑った。













「カカシ、胴体できたー?」

「ん?もうちょっとかな」

今、私たちは分担作業で雪だるまを作っている。
カカシが胴体で、私が頭部。


「でーきたっ」


ふふん、これは改心の出来映え!
ちゃんと丸くできたし、かなり上出来。


「俺もできたーよ」


カカシの方に振り返ると、私の作った頭とサイズがぴったりの胴体があった。


そういえば、私サイズなんて考えてなかった。
カカシ、わざわざ合わせて作ってくれて…


「名前?」


「ん、ん?!何でもないよ。
はやくくっつけよ!」






二人で、お互い出来上がった物を乗せる。
結婚式のケーキ入刀みたいだね、って笑った。
恥ずかしいけど。
それもいいな。







「名前〜」

カカシが後ろから私を抱きしめる。

「きゃっ」

びっくりして思わず普段出ない声が出る。


「ちょ、カカシ、まだ雪だるま玄関に移動してな…」


「うわ…すごい手冷たい。俺が温めてあげる」


私の言葉を無視して、カカシは私の手を優しく握りながら耳元で囁く。


何これ…すごく恥ずかしい。
心臓がうるさい。



「名前、耳赤いよ?」

「う、うるさいなっ!気のせいだよ」


本当は耳どころじゃないんだけど、後ろから抱きしめてるからわからないみたい。



「カカシの手、温かいね」

「でしょ?」


カカシは嬉しそうに笑う。
私は、握られている手に力をこめた。


「…しばらく、こうしてよっか」

「うん!」


カカシの言葉に、私はとびっきり笑顔になった。



雪だるま
(ほら、また雪が降ってきたよ)



◆おまけ
「ここでいいかな?」


雪だるまを玄関まで移動させる。


「今日はありがとね、カカシ。
…大好きだよ」


小声で呟いたそれを聞き逃すはずもなく。
ねえ、名前。
それは、


「…名前」

「ん?何……ッ!」


それは、反則過ぎるよ。



雪だるまは幸せそうに笑って二人を見ていた。


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