1/1 「トリックオアトリートっ」 満面笑顔で手を差し出したのに、カカシは私を知らんぷりしてソファーに座ったまま愛読書を読んでいる。 「ねーカカシ!聞こえてるでしょー?」 「…なーによ、名前ちゃん」 やっと顔を上げて私を見るけれど、すごく面倒くさそうだ。 その証拠にほら、何の用か聞いてくるし。 「だから、お菓子ちょうだいって」 「…俺が甘いもの持ってるわけないでしょ」 「えーないの?今日くらいあると思ったのにー。 じゃー他の人からもらお。ねーアスマー」 カカシに背を向けるけど、 「あ、あるかも」 その声で振り返る。 なーんだ。あるなら最初から言ってよね! 「ほんと?なーに?」 「んーとね、ほら」 何をくれるのか気になってかがんだ途端、私の顎をつかんでキスされた。 「…ね?甘いでしょ」 「…っはぁ!?」 トリックオアトリート (甘いって…何その恥ずかしい表現!) 「何すんのバカカシ!」 「んー?したかったから」 (他のヤローから貰うなんて許さない) (名前ちゃんには俺だけがあげる) ← 戻 → |