NARUTO短編 | ナノ


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“石や〜きいも や〜きいも〜”

“熱くておいしい焼き芋はいらんかね”




「カカシ!あそこで焼き芋売ってるよ!」


焼き芋の宣伝が聞こえたと同時に、名前のはしゃぐ声。

カカシは内心どうでもよかったが、無視したら名前は怒るだろうと思い、仕方なくちらっとそっちを見た。

名前が指差した先には、案の定焼き芋の看板の車。


「もうそんな時期なんだねぇ」


カカシは軽く相槌を打ちながら、持っていた愛読書に目を戻した。


興味がないと明確にわかる行動だが、名前はめげずに、


「もう!すぐ本ばっかり。
せっかくだし焼き芋買おうよ!」


カカシの顔を覗きこみながら、嬉しそうにそう提案する。


というか、名前はカカシの気持ちなどまるで気づいてないようだった。


「…食べたいの?」


カカシは目だけを上げて名前を見る。


「食べたいっ」


名前はそんなカカシをキラキラした目で見つめた。


「…しょうがないね」


カカシはやれやれと首を振りながら愛読書を閉じた。


「わぁい!カカシありがとう!」


名前は満面の笑みで焼き芋車へと駆けて行く。


「あんな可愛く笑っちゃって…」


そんな名前の後ろ姿を愛しそうに見つめるカカシ。


家に帰ったら、もっと可愛い名前が見たい。


カカシはそう考えて一人微笑んだ。


「カカシー!はやく!」

「今行くよ」


ま、その前に焼き芋で軽く腹ごしらえとしますか。



石焼き芋よりも
(一番食べたいのは、名前なんだけどね)


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