NARUTO短編 | ナノ


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カカシ、大丈夫かな。
ケガしてるのかな。
任務はキツいって言ってたから、してないわけはないだろうけど。
軽いケガだといいな。

…大丈夫、かな。







今は夜だから休んでるかな?
私はあなたが心配で眠れないよ。
一応、ベッドにいるけれど。
眠気なんて全くこない。


外は真っ暗だね。
一般人の私には何も見えない暗さでも、忍には見えるんだよね。
すごいね、忍って。



あ、月が綺麗だよ。
カカシも見てる?







ねぇ、心配だよ。
不安なの。
はやく帰って来て。
私の元に、一番に。
帰って来て、カカシ。


…まだ任務遂行期間は過ぎてないから、帰ってくるのは先だけど。
でも、はやくカカシの顔が見たい。
ただいまの声が聞きたい。
名前って呼んでくれる時の笑顔が見たい。


カカシ、無事に帰って来て。






…あれ。任務遂行期間終了まであと何日だっけ。
えっと、確か…



「名前」


月明かりが消えたと同時に人の声。
その人が月明かりを遮ってしまってて、誰かわからない、けど。
私には、わかる。

でも、嘘でしょ?
だって、まだ、任務遂行期間は残ってる、はず…。

幻聴、とかじゃないよね?
確かめずにはいられない。


「…カカシ?」


普通に出したはずなのに若干震えた声で聞いたら、


「そうだーよ」


その返事と共に声の主は私の前に移動してきた。


「ただいま、名前」


月明かりが戻ってくる。
明かりに照らされて見えたのは、大好きな銀髪と大好きな笑顔。


「…カカシ!」


そう言った直後に、カカシに抱きしめられた。


「なん、で。まだ任務遂行期間は…」


「はやく終わらしてきたんだーよ」


名前の顔が見たくて。


ぼそっと、でも優しい声音で呟かれた言葉に涙が出る。


「まだ報告書出してないから火影邸に行かなきゃいけないんだけど。
ごめんね」


頭を撫でながら謝るカカシに首を振る。


「大丈夫。待ってる」


「ありがと。すぐ帰ってくる」


「行ってらっしゃい」






帰ってきたら一番に言ってあげるから。





“お帰り、カカシ”



月夜の日には
(もう大丈夫)
(不安になんかならないよ)


→石焼き芋よりも→


  

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