3/4 カカシ、大丈夫かな。 ケガしてるのかな。 任務はキツいって言ってたから、してないわけはないだろうけど。 軽いケガだといいな。 …大丈夫、かな。 今は夜だから休んでるかな? 私はあなたが心配で眠れないよ。 一応、ベッドにいるけれど。 眠気なんて全くこない。 外は真っ暗だね。 一般人の私には何も見えない暗さでも、忍には見えるんだよね。 すごいね、忍って。 あ、月が綺麗だよ。 カカシも見てる? ねぇ、心配だよ。 不安なの。 はやく帰って来て。 私の元に、一番に。 帰って来て、カカシ。 …まだ任務遂行期間は過ぎてないから、帰ってくるのは先だけど。 でも、はやくカカシの顔が見たい。 ただいまの声が聞きたい。 名前って呼んでくれる時の笑顔が見たい。 カカシ、無事に帰って来て。 …あれ。任務遂行期間終了まであと何日だっけ。 えっと、確か… 「名前」 月明かりが消えたと同時に人の声。 その人が月明かりを遮ってしまってて、誰かわからない、けど。 私には、わかる。 でも、嘘でしょ? だって、まだ、任務遂行期間は残ってる、はず…。 幻聴、とかじゃないよね? 確かめずにはいられない。 「…カカシ?」 普通に出したはずなのに若干震えた声で聞いたら、 「そうだーよ」 その返事と共に声の主は私の前に移動してきた。 「ただいま、名前」 月明かりが戻ってくる。 明かりに照らされて見えたのは、大好きな銀髪と大好きな笑顔。 「…カカシ!」 そう言った直後に、カカシに抱きしめられた。 「なん、で。まだ任務遂行期間は…」 「はやく終わらしてきたんだーよ」 名前の顔が見たくて。 ぼそっと、でも優しい声音で呟かれた言葉に涙が出る。 「まだ報告書出してないから火影邸に行かなきゃいけないんだけど。 ごめんね」 頭を撫でながら謝るカカシに首を振る。 「大丈夫。待ってる」 「ありがと。すぐ帰ってくる」 「行ってらっしゃい」 帰ってきたら一番に言ってあげるから。 “お帰り、カカシ” 月夜の日には (もう大丈夫) (不安になんかならないよ) →石焼き芋よりも→ ← 戻 → |