だから、少し | ナノ


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「名前!!」


そう言ったら、火影様は机を壊さんばかりに叩いて、大声を張り上げながら立ち上がった。
眉根が寄っているから怒っているのだろうか。


「感情は人間にはなくてはならないものだ。
忍だろうと一般人だろうと関係なしにな。
お前たちを任務をこなすだけの道具にはしたくないんだよ」


火影様は一旦そこで言葉を切って、また続けた。


「無用のものなどと、ここまで馬鹿なことを言う奴だとは思わなかった。
他の者には選ばせたが仕方あるまい。
いいか、これは火影命令だ!
今日を持って名字名前は暗部を脱隊。
上忍に戻るとする!」

「…わかりました」


火影命令となれば逆らえない。
片膝をついて返事をした。


「感情が戻ったかどうかは周囲が判定する。
判定がOKだった場合には、暗部に戻ってもらう。
NOの場合は、OKになるまで上忍でいてもらうからな!
わかったな!」

「は」

「あとお前の場合、いきなり待機所に行っても何の進展もなさそうだから、しばらくはツーマンセルを組んで任務に当たってもらう。

確か今空いてるちょうどいいのがいたはず…よし、こいつにしよう。出てこい!」


火影様の言葉で出てきたのは、写輪眼のはたけカカシだった。


「いいか。これからははたけカカシと組め。まずはカカシと会話することに慣れろ。
こいつも元暗部だし、きっと色々わかり合えるだろう。
では早速任務に当たってもらう。
詳細の書類はっと…」

「名前ちゃん、これからよろしくね」


火影様が書類を探している間に、はたけカカシは、目を弧を描くように細めて言った。

多分、あれは笑っているのだろう。
…何故?何故、今はたけカカシは笑ったんだろう?
そんな必要性、今はなかったはずなのに。
…わからない。

きっと昔の、十年以上前の私ならわかることも、今はわからなくなってしまった。
全部、全部。


はたけカカシがこちらを見ている。

私は、


「よろしくお願いします」


と言ってお辞儀をした。


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