2/2 「名前!!」 そう言ったら、火影様は机を壊さんばかりに叩いて、大声を張り上げながら立ち上がった。 眉根が寄っているから怒っているのだろうか。 「感情は人間にはなくてはならないものだ。 忍だろうと一般人だろうと関係なしにな。 お前たちを任務をこなすだけの道具にはしたくないんだよ」 火影様は一旦そこで言葉を切って、また続けた。 「無用のものなどと、ここまで馬鹿なことを言う奴だとは思わなかった。 他の者には選ばせたが仕方あるまい。 いいか、これは火影命令だ! 今日を持って名字名前は暗部を脱隊。 上忍に戻るとする!」 「…わかりました」 火影命令となれば逆らえない。 片膝をついて返事をした。 「感情が戻ったかどうかは周囲が判定する。 判定がOKだった場合には、暗部に戻ってもらう。 NOの場合は、OKになるまで上忍でいてもらうからな! わかったな!」 「は」 「あとお前の場合、いきなり待機所に行っても何の進展もなさそうだから、しばらくはツーマンセルを組んで任務に当たってもらう。 確か今空いてるちょうどいいのがいたはず…よし、こいつにしよう。出てこい!」 火影様の言葉で出てきたのは、写輪眼のはたけカカシだった。 「いいか。これからははたけカカシと組め。まずはカカシと会話することに慣れろ。 こいつも元暗部だし、きっと色々わかり合えるだろう。 では早速任務に当たってもらう。 詳細の書類はっと…」 「名前ちゃん、これからよろしくね」 火影様が書類を探している間に、はたけカカシは、目を弧を描くように細めて言った。 多分、あれは笑っているのだろう。 …何故?何故、今はたけカカシは笑ったんだろう? そんな必要性、今はなかったはずなのに。 …わからない。 きっと昔の、十年以上前の私ならわかることも、今はわからなくなってしまった。 全部、全部。 はたけカカシがこちらを見ている。 私は、 「よろしくお願いします」 と言ってお辞儀をした。 ← 戻 → |