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※放尿シーンがあります。バニーの喘ぎが馬鹿っぽいです。注意
※最終回後の捏造小説です。




「はぁ、もうこんな時間だ…」

バーナビーは携帯のディスプレイを見て、ため息を吐いた。時刻は夜中の0時。虎徹はもう寝てしまっているだろう。
思いのほか遅くなってしまった帰宅に、スウ、と晴れていた気分が雲っていった。


ヒーロー復帰から以前より更に人気が出たバーナビーは、雑誌取材、グラビア、ドキュメント番組やバラエティー番組のゲスト出演…と、ヒーローとは関係ないタレント活動が増えた。
それは相棒である虎徹も同じなのだが、顔出ししている上に若く、ルックスがいいバーナビーの方が仕事量が多い。
だから、帰りが遅くなる上に、月に二度通っていた美容室にも中々行けずにいた。
そんなバーナビーに気を使ってか、行き着けの美容室がバーナビーの為に営業時間外でも開いてくれたのだ。
これは有り難いと仕事が終わり、早速カットとパーマとトリートメントをしてもらったのがついさっき。
疲れのせいか艶が失われていた髪をスタイリストにどうにか誤魔化してもらっていたが、もうその手間が無くなる。それは良いのだが、こんな時刻だし…


自宅の駐車場に車をとめて部屋へ向かうエレベーターの中で、バーナビーは再びため息を吐いた。
いつも自分が美容院に行った後、虎徹が「イイ匂いだな」と後頭部に鼻先を埋めて香りを楽しむ。
その後ツヤツヤと光る髪を一束指に絡ませ、あの優しい声で「バニーちゃんはいつも綺麗だよな」と褒めてくれる。
なんてことはない、たったそれだけだ。別に髪でなくても…例えばこの指に触れて「綺麗な手してるよな」と褒めてきたこともある。

大した事はない。でもバーナビーにとってはそれだけの事が嬉しくて、美容室に行った後はいつも虎徹にさりげなく、見て見てとアピールするのだ。

だから久しぶりに疲れていない艶めく髪を見てほしいのだが、この時間だから寝てしまっているだろう…

[明日でもいいけど…]

出来れば今日がいいな。
駄々っ子みたいだ、とわざとらしく自嘲しながら部屋の鍵を開けた。



「あれ、バニーお帰り。」

「え?虎徹さん?」

部屋には、いつも出勤する時の格好の虎徹がいた。
買い物袋をテーブルの上に置き、帽子を脱いだ所だ。てっきりもう寝てしまっているかと思っていたが、彼も帰宅したばかりなのだろう。

「帰ったら居ないから、飲みに行ってんのか残業してんのかと思ったわ。」

「僕、貴方以外に誰と飲みに行けばいいんですか。」

「そりゃそうだな。」

ウハハハ、と豪快に笑う彼は、ソファに座り、袋からハンバーガやポテトを取り出し、テレビをつける。
彼が部屋に来るようになってから買った皮張りの黒いソファ。その右端はすっかり虎徹の定位置になっていた。
テーブルも大きいガラステーブルを買ったし、ワインセラーには虎徹が美味いと言っていたお気に入りのシャンパンが入っている。
洗面所にはバーナビーの電動歯ブラシの横に虎徹の歯ブラシ。食器棚にはペアの食器…と、虎徹の物が随分と増えた。
その分、彼の部屋にはバーナビーの私物が置いてある。

「虎徹さんも今帰ってきたんですか?」

「ああ、本当はもっと早かったんだけどよ、折紙の奴がまたくっらい事言い出してさ、相談にのってたら遅くなっちまった。」

「何ですか?またブログが炎上したんですか?」

「ま、そんな所だ。」

そう笑い、こんなんでごめんな、とハンバーガを差し出す虎徹に、大丈夫ですと微笑み、バーナビーも横に座る。
移動中や仕事の合間に食べる事はあるが、ディナーとして食べるのは初めてだ。
いただきます。と丁寧に包みを剥ぎ、かぶりつくと、アレ?と不思議そうな声が聞こえた。

「バニー、美容院行った?」

[あ、きた…]

それはバーナビーがずっと待っていた言葉である。
そう、美容院に寄ってたから遅くなったんですよ。綺麗になったでしょ、もっと見て。
そんな期待で胸をいっぱいにさせながら頷くと、虎徹はずりずりとこちらに寄ってきて、首筋に顔を埋めてきた。



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