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「……やっぱ、いきなりじゃ無理か」

虎徹が離れ、バーナビーはホッと息を吐いた。
だが同時に、残念だという気持ちも湧き起こる。
そう思ってしまった自分に酷く驚いた。

「……あの、おじさん」

虎徹は身体を起こしたが、バーナビーは床に転がったままだった。
上体を起こし虎徹の腕を引くと、虎徹の手には先程食事の時に使っていたマヨネーズが握られていた。

「おじさん?」

マヨネーズなんて持ってどうするんだろうか。
バーナビーにはさっぱり理解出来なかったが虎徹はニヤリと笑い、再びバーナビーに覆い被さってきた。

「バニー、ちょーっと力抜いて」
「……なんです?」
「いーから、息吐いて」

わけがわからなかったが、バーナビーは虎徹に言われた通り息を吐き出した。
途端、身体の中を何ともいえない違和感が突き抜けた。

「う…、ァ……」

痛みはそれほどない。だが体内を抉られる経験したことのない感覚に声が漏れる。身体が強張る。

「バニー、普通に息しろって」

言われて、バーナビーは自分が呼吸を止めていたことに気がついた。
胸いっぱい空気を吸い込み吐き出して、ようやくバーナビーにもゆとりが生まれた。
そこでやっと先程のマヨネーズの意味を理解し、バーナビーの眉間には深いシワが刻まれた。

「……おじさん、もしかして……」
「大丈夫だって、マヨネーズは身体にいいんだぞ」
「……っ、やっぱり……!」

おかしいと思ったのだ、先程は全く受け付けなかった虎徹の指は今、スムーズにバーナビーの中に収まっている。
虎徹のことを非難しようとしたが、マヨネーズで滑る指先で身体の中を擦られ、バーナビーの口からは甘ったるい声が漏れた。

「ぁン……」
「あれ、ここがいいの?バニーちゃん」

浅い所で探るように指を前後に動かされ、バーナビーの背がしなる。
無意識に漏らしてしまった声が恥ずかしく、全身が焼けるように熱いのに虎徹は責めることを止めてくれない。
また声を上げてしまいそうで、バーナビーは手の甲を口元に押し付け必死に耐えた。

「なあ、バニー、気持ちいい?」
「…………」

虎徹がニヤニヤと意地の悪い笑みを浮かべながら尋ねてきたので、バーナビーは黙ったまま視線を反らせた。

「気持ちいいって言えよ、きゅうきゅう締め付けてきてっぞ、バニーの中」

露骨な表現をされて、バーナビーの顔が真っ赤に染まる。
虎徹の言う通り、異物感は消えないものの身体の芯からじわじわと押し寄せる快楽の波が徐々に大きくなってきていた。
先程虎徹に口でイかされた時とはまた違う感覚だ。
バーナビーはついに観念した。

「……気持ちいいですよ、……どうにかなりそうです」
「お前……、あんまおじさん煽るなよ」

虎徹からチッと舌打ちが聴こえ、バーナビーは眉をしかめた。
言われた通り素直に気持ちいいと認めたのに、何が気に食わないというのだろうか。
しかし次の瞬間、バーナビーは何も考えられなくなった。

両膝裏を掴まれ、膝が胸に付くくらいに身体を折り曲げられた。
その姿勢の苦しさに抗議する間もなく、次の衝撃がバーナビーを襲う。
指とは比べ物にならない質量の物が、バーナビーの中へと押し込まれた。


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