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骨ばった指が肌を舐める都度、爪先から腰にじわじわと波の様な熱を感じる。

明日の事を考えて切り上げたい気持ちと早く先に進みたい気持ち、
そしてこの愛撫に溺れていたい体がバーナビーの中でない交ぜになっていた。
虎徹を引き留めたのはただ下らない話をグダグダしたかっただけ。
……と言っても言い訳にもならないだろう。

「まだ、か。素直じゃん。ココ……本当はイイんだろ?」

聞かなくても知っているくせに。
バーナビーは心で毒づいた。
意地悪く腰のくびれから臍にかけて往復する指がアルコールの酔いを奪っていった。

形良く割れた腹筋の筋をゆっくり辿られ、触れていないバーナビー自身が更に存在を誇張していく。
透明な雫が先端を濡らす羞恥。

「んぅぅ……」

力が抜けてゆく体を壁についた腕で支えるが、シャワーの水滴が掌を滑らせる。
こつん、と額を壁に預けた。

「虎徹、さっ……んっ、も、立てな……ぁ」

「脚に力、入らない?」

頷くバーナビーに虎徹は健脚がウリなのにな、と笑う。

「だ、れの、せいっ……だと……っ!」

バーナビーは右手で体を支えたまま、泡の薄くなった虎徹の左手の甲に自分の掌を重ねた。

外されないリングも構うものかと、組む様に指と指を絡ませ、ぎゅうと握る。

「あっ……このっ手が、悪……いぃっ……」

「バニ……?」

「貴方の手……だからっ、僕は……僕はっ感じてしま、う……っ」

乱れる呼吸が言葉を邪魔する。

「誰で、も、ない、貴方だからっ……」

スキンシップ過剰なファイヤーエンブレムに触られても、筋肉はどうだと他のヒーロー仲間に見られても、
僅かな不快感はあるが何ともない。
それどころか普段の虎徹に悪戯に撫でられようと擽ったい以外の何物でもない、のに。
体をピタリと密着され、囁かれながら触れられただけでこうも敏感になるとは。
酒が入っている為に鈍くなる筈の一部がこうも反応するとは。

「ん、貴方の手が……僕を……っあ、狂わせ……」

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