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『あれ?まだ気持ちよくないって言ってたよな?』
「ん・・・はい・・・」
じゃあなんでそこ硬くなってんの?
バーナビーの豊満なふくらみの中心で、それぞれ小さな突起がつんと反応していることを指摘される。
どこかで監視されているのではないかと疑ったけれど、それはありえなかった。
その部分はまだ彼女の手の中で隠されていたから。
「・・こてつさん・・・さわっても、いいですか・・」
『ん、いいよ。バニーの好きなようにさわってみて』
小さくねだる声に虎徹は苦笑した。
体を初めて重ねた頃から様々なことに興味津々で、いろんなことも試させてくれたけれど、こんなに順応性が高いとは予想していなかった。
バーナビーは自分の胸に指を添えたまま、人差し指と親指でそっと小さな突起を摘まんだ。
あっ、と小さく声が漏れて体が熱くなる。
くにくにと刺激しているうちに、そこを虎徹に攻められる感覚を思い出し、反対の手も同じようにしてみた。
『バニー可愛い声出てる。もっと聞かせて』
「んっ、や、です・・・ん、ぅ・・・」
いつのまにか、漏れる程度だった吐息が荒くなっていた。
指できつく摘まんだり、押しつぶしたり、いろいろ試してみると気持ちよくなるけれど何かが足りない。
頭の隅でそう思っていると、右手の人差し指舐めてみて、と虎徹の声が聞こえた。
薄い舌を少し出して、ぺろりとひと舐めする。
もっと、と言われこれも虎徹の指だと思うことにした。
華奢な指に舌を這わせ、ぴちゃぴちゃと音を立て咥える。
意地悪く口に指を入れられるときは、音を立てると褒めて貰えた。
反対の手は自分の快感を探しながら、咥えた指をふやけるまで舐めつづける。
そしていつものようなタイミングで「もういいよ」といやらしく笑う声が聞こえた。
『舐めた指でまた摘まんでみて?』
言われるがままに、てらてら濡れる指を胸の尖りへと近づけた。
ぬるり、唾液で濡れた指の感触に甘い声がこぼれる。
舐められている感覚を思い出したけれど、やはり本物の舌の感覚とは違う。
それでもぬめる指先で尖りを濡らしていけば、新たな快感が身体の中で駆け巡った。
夢中になって、やわらかいふくらみとしこる尖りを刺激していると、新しい指示が下る。
『じゃ次は、左手をパンツの上に置いてみて』
まるで魔法でもかけられたように、彼の言うままに動いてしまう左手。
間違いなく自分の手だというのに、脇腹を掠めると身が捩れる。
それぐらいバーナビーの体は熱に冒されていた。
総レースのショーツに手を乗せる。置いてみて、と言われたけれども指先が勝手に熱いところまで伸びた。
割れ目を辿り、そこに指を這わせる。
ショーツの上からでも熱くなっていることがわかった。
割れ目を往復するように指が勝手に動くと、また見透かされた声が届いた。
『誰が触っていいって言った?』
びく、と指先が動きを止める。
どうして、と混乱しているバーナビーは自分がどんな声を出してしまっているか知らなかった。
さわりたい?と訊く官能的な響きに、素直に答える。
『俺がよくやるみたいに、脱がずに横にずらせる?』
虎徹は脱がすのも面倒なほど性急になっているとき、ショーツを脱がさずに、横にずらしただけで挿入する。きっとそのことを言っているのだろうとバーナビーは判断し、頼りない小さな面積の布に指をかけ、もたついた手つきでそこをあらわにした。
「やっ・・・んぅ・・・」
『やーらしいなあバニーは。まだ何もしてないのに、濡れすぎ』
まるで虎徹がそこにいて、見ているかのような発言をするのでバーナビーはふるふると首を横に振った。
思わず声が漏れてしまったのは、彼の言うようにまだ触ってもいない下着がぐっしょりと濡れていることに驚いたから。
ちがうんです、と小さな声で反論してみると、じゃあどうなってる?と意地の悪い質問を投げかけられる。
「っぬ、・・れてるんじゃなくてっ・・・ぬる、ぬる・・?」
指先に感じる粘着質な感触をどう伝えればいいのかわからない。
けれど、恥ずかしいことを言わされている気になって、体の奥からまたなにかがじわりと溢れた。
そしてバーナビーは拙い指で、自分の感触を確かめていた。
虎徹に触られることがあっても自分でこんなところを触るのは初めてで、いけないことをしている気持ちが高まる。
声を抑えることも忘れ、いつしか恋人からの次の指示を待つようになっていた。
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