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『じゃあ俺が他のグラビアのオネーチャンとかおかずにしてもいいんだ?』

「っっっ!!最っ低!!」

プーップーッ、電話が突然切れてしまい、虎徹はさすがに言い過ぎたか?ともう一度発信ボタンを押す。
ただの冗談なのに、やきもち焼きなバーナビーにこの手の冗談はなかなか通じない。
案の定、呼び出す電子音はすぐに留守番電話に変わり、可愛い恋人の声を聞かせてはくれなかった。

冗談だって、電話出てくれ、とメールを打っていると携帯が震えメールの受信画面に変わる。
送信者はバーナビー。文面は“これで満足ですか”のみ。
そして画像の解析が始まる。
虎徹はすぐに返信をした。“NG”

バーナビーは大きくため息をついた。他の女性なんか見て欲しくない。
カッとなって服を脱ぎ、下着も脱いでその脱いだ残骸のようなものだけを携帯のカメラで撮影し送りつけた。
下着を見たいと言ったんだからこれでも間違いではないはず。
けれどもすぐに空しくなってもう一度下着を身に着けた。
そして携帯から着信音が響き、返ってきたメールを開くと“NG”の文字。
そしてすぐに“これをつけてるバニーの写真送って”語尾には悲しんでいるような顔文字のマーク。

大きく深呼吸をし、携帯の内側カメラを起動させた。
だって、他の人なんか見て欲しくない。
意を決して、思い切って電子音のシャッターを切った。



次のメールの返事を待つ時間が途方もなく長く感じられた。
実際には1分や2分そこらなのだろうけれど、もやもやした気持ちになってくる。
自分の写真の撮り方はどこかおかしかったのだろうか、そう考えていると短く着信音が鳴った。
もしかして、可愛いとか言われたらどうしよう、なんて半分期待を込めながらメールを開くとまたもや“NG”の文字。

“ちゃんと顔も写さないと誰かわかんないだろ”そして語尾では顔文字が怒っていた。
顔を見せたくないからわざと体だけを写して送ったのに、まだ文句を言われなければならないのか。
バーナビーの中で負けず嫌いな気持ちがふつふつと湧いてきて、それならばと下着姿のままドレッサーへと向かった。

さっきのメールを送ってから返事がなかなか返ってこなかった。
送信履歴はちゃんと見ていないけれど、30分以上は経っている気がする。
せっかく乗ってきてくれたと思ったのに、もしかして拗ねて寝てしまったのだろうか。
そう思いながらさっき送られてきた画像を再び開く。
確かに下着を着用している写真だけれども、顔が見えなければ意味がない。
けれど久々にその白い肌を見ると、やはり触れたいと思う気持ちが体の奥から湧いてくる。
どうしたものか、とじっと小さな液晶をみつめていると、携帯が震え受信画面に変わった。
『バニー!!』

「どうかしましたか?」

『これどういうことだよ?!』

新しく送られてきた画像を見て虎徹はすぐに発信ボタンを押した。
すぐに繋がった電話の向こうのバーナビーに思わず捲し立ててしまう。
それも仕方が無い。
立て続けに送られてきた画像は、
まるでグラビアアイドルのようにランジェリー姿でベッドに寝転び挑発的に胸を寄せているポーズだったり、
大きなクッションに跨っていたりと際どいものばかりだった。
どれも瞳がとろけていて、唇はグロスのようなもので潤んでいて、正直こんなに色っぽいものは期待していなかった。

「あなたが写真送れって言いましたよね?」

『や、うん、まあ、うれしいけど、でもっこんなのひとりで撮れないだろ?誰かいるのか?』

「誰でもいいでしょう?もう今はひとりですから」

『バニー』

いつもは優しい虎徹の声が、急に低く咎めるような音に変わる。
さっきからかわれたみたいに、バーナビーも虎徹に心配をかけてやろうと、軽く悪戯心に考えたものだった。
けれども気持ちが萎縮して、そしてどこかで心配されたことに嬉しくなる。
話が大きくなる前にすぐに種明かしをした。アニエスさんに協力してもらいました、と。

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