∴天馬世代
∴病んでる雪村君。
∴暗い。
∴若干監禁っぽいです。
∴文字を大きくしております。読みにくかったら申し訳ありません。






















私の首に手を回して?
ぐっと掴んで?
それから?














「あんたも俺をおいていくのか。」




だんっと大きな音をたて、目の前にいる彼女を床に押し倒した。彼女は背中を強く打ち付けたからか痛みに顔を歪ませる。そんな彼女を横目に俺は彼女の細い首に両手をかけた。俺の手の冷たさか、それともその行為からか彼女は目を見開く。そしてその手から逃れようと暴れるのだ。だからといって俺は手に加えてる力を弱めようと思わないし、むしろそんな彼女をみて気持ちが高ぶる。彼女は暴れても無駄だとわかったのか暴れるのをやめた。それと同時に力を緩め彼女の首を掴んでいた手を話せば、彼女は息を必死に吸い咳き込んだ。俺はそんな彼女を見て愛しく思い髪を梳くように撫でる。すると彼女は薄らと涙が溜まった蒼い瞳でこちらを睨んだ。そして小さく帰して、と呟いた。俺はその言葉にさっきまで高まっていた愛しいという感情が一気に冷え切った。ぱしん、乾いた音が部屋一帯に鳴り響いた。





「許さない。そんな事、許さない。俺から離れるなんて、許さない。何処にも行かせない行かせない行かせない行かせない。そうだ、全部全部全部全部全部全部全部全部壊せばいいんだ。空野が行くとこ全部壊せば。行く場所がなければ、居場所がここにしかなければいい。帰る場所がここになればいいんだ。そうだ、俺達結婚しよう。そうすれば空野の帰る場所はここになるし居場所もここになる。そうしよう。一生俺以外を見ないようにすればいいんだ。」




そう言う俺を見て彼女は切なそうな泣きそうな表情を浮かべて俺を優しく抱き締めた。






ああ、ああ、ごめんごめんごめんごめんな。こんな酷い事なんてしたくないんだ。君を壊そうだなんて思いもしたくなかったんだ。それでもこの醜い感情は消えてくれなくて、素直に愛したいけど壊したくて、こんな事で快楽を得る愚かな自分がいて。


それなのに君は笑っていて。















貴方は言いました。「あんたも俺をおいていくのか。」だなんて。
私にそんな事させてくれないくせに。貴方が泣きそうになるなんて卑怯です。ずるいです。私が泣きたいぐらいなのに。そんな顔されたら、おいてなんていけないじゃないですか。そんな事を言うのならまずその鎖を外してください。まずは逃げられる環境にさそとください。逃げる気などさらさらないのだけれど。ああ、貴方と一緒にこの闇へ堕ちていきましょうか。堕ちるだけ堕ちていきましょう。貴方の救済じゃなくてこんな事を考える私も相当な馬鹿ですね。









幸せ物語






2012.0205



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