∴一応天馬世代
∴暗い
∴円堂夫妻結婚後
∴風→冬→円
∴風丸さんも冬っぺも不憫




「まもる、くん…。」

「久遠…。」



ぐずぐずと鼻をならしながら小さくうずくまり涙を零す彼女を見て胸が痛んだ。



「風、丸君…私、嫌な女だった。最後まで、好きな人の幸せも祈れないの。本当に嫌な女、守君が、夏未さんを選んだのも、納得できるの。」

「…そんな事ない、久遠は本当に頑張った。」



久遠は俺の方へと顔を向けた。泣き腫らした瞳が痛々しく、眉間に皺を寄せた。
久遠の目線に合わせるよう腰を下ろし、そっと彼女の瞳に触れた。



「久遠、お前だって努力したじゃないか。頑張ったじゃないか。そんな奴が嫌な女な訳ないだろ?」

「風丸君…。」

「円堂が見てなくても、俺が見てたから。久遠が頑張ってるとこも何もかも。」

「…ありがとう…風丸君。本当に風丸君は優しいね。守君がずっと風丸君を頼っていたのがわかるよ。」



ふ、と瞳を細め笑みを浮かべた彼女のその瞳からぽろりと一筋の涙が零れ落ちた。


彼女が泣いているのに、手も差し伸べてあげられない。涙を拭ってあげられない。
俺にはそんな権利はない。だって俺は、





独り善がりの幸せ
(俺は心の奥で望んでいた)(こうなる事を)





――――――――――
円堂さんが冬っぺとじゃないと聞いた瞬間から風丸さんは円堂とじゃない!って安心してたらいいなーとか思いつつ、ずっと妄想してました。
風丸さんは10年前から冬っぺ好きだったら可愛いね!
この風丸さんはあれだけど。



2011.1009


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