ksxx5

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時刻は19時40分。
学校は遅くても21時過ぎには閉まる仕組みだ。
さっさとプリント出して帰らないと学校が閉まってしまう。
そう思いながら数学準備室に向かう。



























数学準備室前。
扉の向こうには淫らさなんて欠片も感じられないヒル魔がいるのだろう。

「失礼します」

そう思って扉を開けると誰もいなくて。
職員室か?
扉を閉めようとしたら。

「できたか」

後ろから声がして。
振り向くとコーヒーカップを持ったヒル魔がいた。

「取り敢えず入りな」
「いや、俺は…」
「俺にプリントまで運ばせたんだ。理由くらい聞くのが当然だろ?まぁ入れ」

仕方なく重い足取りで数学準備室に入る。
ヒル魔が椅子に腰掛け、俺も促された席に腰を下ろす。

「で?」
「でって、なんだよ」
「なんでここまで点数が落ちた?普段のお前なら90いくかどうかぐらいのレベルなのに、だ」
「ちょっと調子が悪かったんだって言っただろ」
「まぁそういうことにしといてやろう。取りに来たプリントを置いていって取りに来なかったのは」
「…………」
「黙秘は認めねぇ」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「……………そんなに言い辛いか?」
「…取りに、きた、けど………………」
「けど?なんだよ」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「…いつ来た」
「5限後の休み時間」
「あぁ。だからか」
「…………」
「…あんなもん気になるもんでもねーだろ」
「カッ!!あんなもんって…お前教師だろ!教え子とあんな、ことっ…」
「アッチから誘って来たとしても、か?」
「………っ、誘われたからって誰でもいいのかよっ」
「まぁ拒む理由もないしな。なんならお前も抱いてやろーか?」

最低だこいつ。
信じらんねぇ。

「ふざけんな!なんでそうなるんだよ!!」
「だってお前俺のこと好きだろ」

確かに意外と人望あるし分かり易い授業だし、ちょっと憧れてたけど。
今日のことで一気に嫌いな奴1になった。

「っお前なんて、大っ嫌いだ!!」

吐き捨てるように叫んで部屋から飛び出した。
だから知らなかった。
ヒル魔が走り去る俺をじっと見ていることに。


Fin.

第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
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