ksxx5

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「顔、赤くない?」

あれから俺は急いで、半ば逃げるようにして教室に戻って来ていた。

「そーいやプリントは?」

こんなとき、少々口煩い友人は鬱陶しく感じてしまう。

「ちょい熱っぽいかもな」

勿論嘘だ。

「次古典だろ?保健室行って来るわ」
「銀さんも行きたいなぁー」
「お前は授業受けろ。出席日数ギリだろ」
「ツンのケチー」
「葉柱さん大丈夫っすか?」

ツンが心配そうに言う。
休み時間は隣のクラスからツンが来てることが多い。

「寝れば大丈夫だろ。だから銀は授業な」
「ちぇー」

なんとか一緒にサボろうとする銀を説き伏せてチャイムが鳴ってからツンと同時に教室を出る。
勿論熱なんてない。
けど授業を受ける気分じゃなくて。




























珍しく保健室には保健医も、他の生徒もいなかった。
名簿にクラスと名前を書いてベッドに潜り込む。
しばらく横になっていると睡魔が襲ってきて。
俺は大人しく瞼を閉じた。






























目を開けるとすっかり時間が経っているようで。
時計を見ると17時30分を過ぎていた。
未だ覚醒していない頭で教室に戻る。

「ルイってば遅いしー」
「おーわりぃ」

教室には銀とツン。

「大丈夫っすか」

ツンは心配性だ。

「まだちょっと眠気が覚めてねぇだけだ」
「これヒル魔から〜俺様にプリント運ばせるなんて覚えとけよ、だって」

見るとメモが付いてて《20時までに終わらせろ》と書いてある。
キツくね?

「俺は終わらせたからルイの手伝うよ〜」
「人にやらせたくせに」

調子のいいことを言う銀にツンが横槍を入れる。
でもこの量は手伝ってもらわねぇと終わらない気が…

「ツンはいいのか?」
「もちっす」
「じゃぁ頼むぜ」

それから3人で俺のペナルティプリントの始末に取り掛かった。
やっぱり量が多くてなかなか苦戦した。
漸く終わる頃には降っていた雨も上がっていて。

「じゃぁこれ出して来るからもういいぜ」
「お疲れっす」
「また明日ねぇ〜」

ツンと銀は教室を出て行った。
手を絡ませながら。
銀は女好きだとばかり思っていたけど、実はバイだと知ったのは最近だ。
相手がツンだと知って最初は驚いた。
でも今となっては温かく見守ってやりたいとさえ思う。



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