ルーネスが部屋を出てから3時間後ぐらいして、エレナは目覚めた。
「今回はこの前よりだいぶ早かったのね」
レフィアが嬉しそうに笑う。
「うん。この前は、強制的に寝かされてたし、感情が高ぶってたから。それにね…」
周りに誰もいないことを確認してエレナがレフィアに耳打ちした。
「…早く起きてって、誰かに言われたの」
「夢の中でってこと?」
「わかんない。寝ぼけてたから…。でもね…」
それから、恥ずかしそうにエレナが俯く。
「ルーネスだったらいいな…」
「へ?」
「な…なんでもない!!」
「ふ〜ん。まぁ、いいけど…っと!!よし、できーた!!」
それまでエレナの髪をいじっていたレフィアが手を離した。
「エレナは髪質がいいからまとめやすいのよね〜」
「わ…ありがと…」
高い位置で緩くおだんごにしてまとめてある自分の髪をエレナは軽く目を見張って見る。
「うん。かわいい」
レフィアは満足そうに笑うと手を差し出した。
「さっそくみんなに見せびらかしちゃお!!」
「見せびらかすって…」
「こんなに上手く出来たのに見せないのもったいないし。まあ…」
そこでレフィアがにやりとする。
「ずっとおあずけを食らってた王子様へのお詫びってことで。ね?」
「お詫び…?てか王子様って…」
「いいから!!早く!!」
納得していないエレナを無理矢理引っ張って3人が待っている所まで連れて行った。
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「じゃーん!!ど?かわいいでしょ!!」
「ちょっと!!」
いきなり扉が開いて現れた2人に驚く男性陣。
「あ、髪結んでるな。似合ってる」
一番最初に気付いたのはイングス。すんなりと褒め言葉を述べる。
「う〜ん。なかなかやるわねぇ…」
「な…なにが…」
照れて赤くなっているエレナと感心したように唸るレフィア。
「でも…ほんとに、似合ってるよ!!」
「あ…ありがとう」
アルクゥも珍しく強く言い切っている。
それから、少し上目遣いでエレナはルーネスを見た。
「どう…かな?」
「え…あ…」
見とれてのかルーネスがはっとする。
「…かわいい」
「ほんと?!」
嬉しそうにエレナの顔を輝いた。
それから、なにか閃いた様にそっとルーネスに近づくと耳元で囁く。
「…起こしてくれた、お礼」
「な?!///」
「あ、やっぱしルーネスだったんだ」
真っ赤になるルーネスを見て悪戯っぽくエレナが笑った。
「あいかわらず鎌かけには弱いんだね」
「う…うるさい!!///」
照れ隠しか、顔をそらすルーネス。
すると、エレナがまたそっと囁く。
「また…寝ちゃったら、起こして」
囁く声はいつもより大人っぽくて色っぽい。
「だめ…?」
「い…///」
急な変化にルーネスは固まる。
「…わ、わかった///」
「ありがとう」
ルーネスに微笑む顔もいつもより少し大人っぽい。
「あいかわらず見てて腹立つぐらいラブラブだな」
「同感…」
「ちょっと疲れるかな…」
残された3人は呆れたようにそんな2人を見ていた。