贅沢
力を消耗して倒れてしまったエレナを休ませるためにしばらくアーガス城にお世話になることになった。


そして、エレナが眠り始めてから1日。


あいかわらず彼女は眠っていた。


===================

眠っているエレナは前のように顔をしかめているわけでもなく、ただすやすやと寝息をたてて眠っている。


その様子をルーネスがじぃっと見つめていた。


そして彼女の頬かかった髪を払ってやる。


「…」


今は真昼間で、カーテンの隙間から光が漏れて彼女の髪に反射していた。


「はぁ…」


じっとエレナを見ていたルーネスはため息を吐いて彼女が寝ているベットに頬杖をつく。


彼女が前みたいにうなされていないのは喜ぶべきことなんだろう。でも…


「やっぱ、早く起きてほしいよなぁ…」


こんな風に思うのはやっぱり良くないんだろうか?

欲張ってはいけないんだろうか…。


それでも、そう思わずにはいられないのだ。


そうもんもんと考えていた時、何かがそっと手に触れた。


それはエレナの手。


「…ん」


そっとルーネスが手を握る。


するとエレナが少し微笑んでまた幸せそうに寝息をたて始めた。


その幸せそうな顔をルーネスはしばらく見つめる。


それからそっと立ち上がってエレナの瞼に口付けた。



―どうか、早く目を開けて。



そう想いを込めて。


prev next 

1/8


TOP
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -