If
「ねぇ、ルーネスはどうしてエレナが好きなの?」


唐突な私の質問に彼は目を丸くして驚く。


無理もない。今までそんなこと聞かれたことなどなかったのだろうから。


「どうしてって……どうしてだろう?」


逆に質問を返してしまうところがまた彼っぽいと思った。


「可愛いから?美人だから?泣き虫だからほっとけなくて?」


続けざまに質問する私に更に困った顔をするルーネス。


「なんでそんなこと気にするんだよ?」


「…別に。気になったから」


リコらしくないと言われて思わず苦笑する。


だって、わからない。


「わからないの」


どうしてたった1年夢の中で逢っていただけなのに5年も待てたのか。ずっと彼女の存在を信じて疑わなかったのか。


そう呟く私にルーネスが答える。


「…理屈じゃ、ないんだと思う。エレナしかダメなんだ」


その一言は私には重すぎた。


「じゃあ…さ、」





もし夢で逢っていたのが私で、今の私のポジションがエレナだったら、ルーネスは私を選んでた?




そう聞こうと思って止める。


答えはNOに決まっているから。


あなたの目に私は写らない。


あなたの目に写るのはエレナだけ。





「…いつか、」





私にも恋が出来る日が来るかなと呟くと、黙ってルーネスは抱き締めてくれた。




でも本当は、できるなら僕は、君の隣で笑いたい

伝えることさえ、できないのだけれど







リコはエレナだから、やっぱりどうしても気になってしまう、って感じです。まぁ恋というほどじゃないんですけど、なんかもやぁっとするみたいな?
一回書いときたかったので書いてみました。

お借りしたお題サイト↓
確かに恋だった


prev next 

6/8


TOP
「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -