「ザーキさん」
「ん?」
「見てくださいよ、これ」
そういって上機嫌な椿が後ろに隠していた手を赤崎の前にだした。手には苺がのった小さめのホールケーキあった
「…なにこれ」
「なにって…ケーキっす」
きょとんとしながら椿がケーキを見つめる
「いや、見ればわかる。俺がききたいのはなんでお前がそんなケーキを持ってるかってこと」
「いや食べたくなって…」
少し恥ずかしそうに椿が笑った
「…まるまる?」
「い、いや、最初はちょっとにするつもりだったんですよ?でもなんかケーキ屋さんいったら、その―…」
慌てている椿を見て赤崎が深いため息をついた
「お前、そんなに食べたら身体重くなるぞ?」
「…うす……だからその―…」
「却下」
「まだなんもいってないじゃないすか」
すでに涙目な椿の頬を赤崎がかるくつねる
「お前の考えてることなんてお見通しなんだよ」
「…ひゅ…ひゅいまへん」
そう謝る椿があまりにまぬけ面で赤崎は軽く笑いながらつまんでた頬を離した
「や…やっぱり…駄目…っすか?」
「だいたい俺が甘いもの嫌いだったらどうするつもりだったんだよ」
「…………あ。」
椿がしまったと言う顔をしながら赤崎とケーキを交互に見た
「ほら」
「…ザキさん甘いもの嫌いっすか?」
不安そうに椿が問いかけると赤崎からあっさりと返事がかえってきた
「別に」
「じゃあ是非」
ぱぁっと嬉しそうに笑う椿の顔を赤崎がじっとみつめた。
ふと、赤崎が口元をにやりと笑わせる
「…じゃあお前が食わせてよ」
「…え…」
「あ―んって」
「えっと…そ…それは…その」
顔を真っ赤にしながら目を泳がせてる椿を赤崎が更に追いやる
「じゃなきゃいらない」
「!!!ザキさんひどいっす」
少し泣きそうな椿の顔をみて赤崎の口元が更に緩んだ
「…じゃあ」
そんな椿の耳元に赤崎が近づく
「お前が食べさせるのとお前を食べさせるのえらんで」
「……………………………意地悪っす」
「知ってる」
結局両方食べるけどね。心の中で思いながら赤崎は次の椿の言葉を待っていた。

























1000hit小説でした(*^^*)


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