「う―ん…。」
さっきから俺の横で聞こえる唸り声の犯人は椿でその手には住宅情報誌があった。
「なに、寮でるわけ?」
ふと頭をよぎった疑問を口にした。
正直独り暮らしするよりも寮暮らしのが断然楽だとおもう。
飯は食堂で食えるわけだし料金だって断然寮のが得だし
「…悩んでます…寮のほうがメリットはいっぱいありますし」
情報誌を一度とじて椿が俺の顔をみてきた
「だろうな」
「でも…やっぱり自立したいなって」
「自立?」
いきなり何を言い出すのかと思ったら…手にしていた携帯を置き椿と向かい合った
「はい、なんていうか一人立ちと言うか…しっかりしたい?…その…いつまでも寮に、いれるわけでもないですし…もしかしたらいきなりサッカーできなくなるかもしれない…最近そんなこと考えちゃって」
椿の発言にため息をつくと椿の身体がびくついた
「お前なんでそうマイナス思考なの?」
餓鬼みたいな理由でイライラしていることは自分でもわかっていた
「俺は出来ることなら死ぬまでやってたいよ、サッカー。」
「お…俺もです」
いきなり真剣な目で椿が俺を見つめてきた…試合中いつもこんなんならいいのにな
「なら、そんなこと考えんなよ…それに」
「それに…?」
「寮出るときは俺も一緒だから」
「へ?」
あ―頭にはてな並んでるな、その顔は…ったくこう言う話は聞き返されるのは嫌なんだよ
「だからさ、寮でたら一緒に住めばいいじゃねぇか」
自分の顔は今赤いだろうなとわかった
「え…それは…」
…それは椿も一緒だった
「いちいち聞き返すなっつーの」
「す…すみません」
お互い真っ赤になった顔。
こういう空気苦手なんだよな、落ち着く為に深く息をはいた
「ザキさん」
「あ?」
椿が口をひらいた為ふいに椿のほうに顔をむけた。

触れるだけ
本当に一瞬
俺と椿の唇が触れた

唐突すぎて言葉もでない
目の前には顔真っ赤で挙動不審な椿がいて多分俺は間抜け面をしてるんだろうけど直すに直せなかった。
「あ、すすす…すみません」
ごにょごにょと椿が呟いている。
そう言えば椿からキスされたの初めてかもしれない。案外こいつも男だなって思いながら椿の頬に手をやって今度は長いキスをした。



















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