ただ時々不安になる

「ザキさんは俺のどこが好きなんスか?」

真顔でそんなこと聞いてくるもんだから「全部」なんて真顔で答えてやると椿は納得がいかないような顔をした。

「なに?」
「…え、なっ…なんでもないっす」

いきなりの問いかけに椿は驚いたみたいで目を泳がせながらしまいにはしょんぼりと頭をさげてしまった。

本当に全部なんだけど、確かにイライラすることは今だってあるけどそれは椿の性格言うなれば個性だし、それ含めて俺はこいつのことが好きで…まぁうまく伝わってないのかも知れないけど、なんて少し悲しくなったけど手をのばして椿の頭をなでてやった。
どうすれば喜ぶか、もちゃんとわかってるつもりだし

「…つばきは?」
「え?」

目をまるくさせながら椿が顔をあげた。
いきなりのことだったから思わず俺の指が椿の目にささりそうになって急いで腕をひっこめた

「あ、す…すいません」

またしょんぼりとする身体。
前の俺だったら絶対イライラしている。慣れなのか補正がかかっているのか最近はあまりイライラしなくなった。

「…そういうお前はさ…俺のどこがすきなわけ?」
「え?」

不安になるときがある

うまく椿に気持ちを伝えられるわけでもなく喜ばすことも得意じゃないし一人のが楽なときもあるし、何度もイライラして何度もへこませて悲しませて結局自分が何をしたいかイマイチわからないこともある。

いいかっこなんて椿の前じゃいつもできないでいる。

「……っす」

椿が俺の指をきゅっと握った。

「俺も全部、みたいっす」

顔を真っ赤にさせて俺の指を握る手は熱を帯びていて、やっぱりそんなところも好きで不安とか全部どうでも良くなってただ

椿をつよく抱きしめた。






















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